国道135号線八幡野地区旧道交差点から旧道に入り、約5分。
案内が出ています。
河津三郎血塚・・・また!です(*゚ー゚*)
この辺り(八幡野中道)は日中でも薄暗く、一人で行くのは怖いと思いました。
この辺りは昔は”ゆうま”と呼ばれていました。
数々の伝説・民話があります。
そして登場回数の多いのは”狐”です。
人間をだましちゃうのです。
ポカポカまんじゅう 小林一之氏(やんもの村のものがたり
改訂復刻版より)
(やんも(八幡野)の方言がおもしろい)
むかし、八幡野の中道のところは「ゆうま」とよんでいました。
そこには悪いキツネがすんでいて、そこをとおっていく村の人をだまして、
しかたがなかったそうです。
ある秋のことです。
赤沢の祭りに招待された八幡野のおじいが赤沢芝居を見物にやって
きました。
このころは、赤沢芝居といって有名でした。
赤沢に親戚のある人は、酒や寿司をごちそうになりながら芝居を見物
しました。
楽しかった芝居も終わってから、このおじいは、おみやげに寿司を
もらって、八幡野に帰るときのことでした。
赤沢の人はいいました。
「おみゃー、とまってかっしぇー。ゆうまのキツネに化かされるよ」
などといって、おじいを泊めようとしましたが、おじいは、
「おらあ、かいるよ」
といってききませんでした。
赤沢から天神ヶ峯の大きな松の木をとおって、くだりこんだところが、
こんもりと木がしげった「ゆうま」です。
おじいは、酒をのみすぎて、あっちへよろよろ、こっちへよろよろ
しながら、あるいていきました。
ゆうまにさしかかったときのことでした。
たいへん美しい女の人が、むこうから、ちょうちんをつけて、あるいて
きました。
おじいはあんまり美しい女の人だったので、もうキツネのことは、
すっかりわすれていました。
美しい女の人がいいました。
「おじいさん、おいしそうなお寿司のにおいがしますね」
「あい、この寿司やー、おら、あかだあの、おやこから、もらってきた
もんだ」
「おじいさん、私は、おまんじゅうを持っていますよ。ほら、さわって
ごらん」
美しい女の人はおじいの手をぎゅっと、にぎって、やさしくそういいました。
「ねっ、とてもポカポカして、おいしそうでしょ」
「うん。うまいようだなー」
「ねえ、おじいさん。私のこのおまんじゅうと、そのお寿司をとりかえま
しょうよ」
美しい女の人に声をかけられ、餅のような、やーっこい手で、にぎられ
たおじいはポワーンとしてしまいました。
「よし、とりかえよう」
おじいは、ポカポカした、おまんじゅうとお寿司をとりかえました。
ふところにいれた、おまんじゅうは、ポカポカしていい気持ちです。
おじいは何だかうれしい気分になって、いそいで八幡野にむかってあるき
ました。馬の足あとをとおりすぎ、すこしいくと、八幡野の浜にでます。
家に帰るとみんなが赤沢のおやこの、おみやげを首を長くして
まっていました。
「さあ、わいらあー、うまいまんじゅうがあるど。いま、ゆうまで女しに
いきあって、寿司とまんじゅうをとりかいてきた」
といって、おじいは、ずっしりとおもたいポカポカした、おまんじゅうの、
つつみをあけました。すると、どうでしょう。
「やっ、や」 びっくりこいた。
ポカポカした、おまんじゅうの、つつみのなかは、なんと、
「まぐそ」で、こしらえた、おまんじゅうが、でてきました。
おじいは、やっと
「ああ、ゆうまのキツネのやつに、化かされたかっ」と、気がついて、
頭をかかえこんでしまったってさ。
大正時代の河津三郎血塚の前 女性の野良着姿 図説伊東の歴史より
やんもの村のものがたりより八幡野のわらべうたを♪