前回のブログでは電話面会をするために居室外作業を目標にしたこと、依存症の勉強をして自分の過去を見つめる作業をしていくことを書きました。
刑務所に二度と戻りたくない、その思いは今もとても強いです。
理由はいくつもあるのですが、今日は特にそう思った出来事を書いていきます。
立川拘置所に移送されてすぐ奥歯の詰め物が取れてしまいます。
治療願いの願箋を提出し、約2か月後に医務に呼ばれ治療が始まります。
立川拘置所の中に歯科治療の設備があるので、外部から歯科医が来て治療をします。
どうやら神経を抜かなくてはいけないようで、軽い説明を受け治療が始まりました。
歯茎に麻酔をして歯を削って、神経を取っていきます。
これが本当に超痛かったんです。
思わず声が出てしまうほど痛かったんです。
本当に麻酔してるの?と思うほどの痛みです。
激痛に耐えながら、新しい詰め物が入るまで計4回の治療を受けました。
居室から医務まで同行する刑務官がいます。治療中も付き添っているのですが、
この刑務官に言われた言葉を今でも覚えています。
「これが嫌だと思ったらもう絶対にここに戻ってきちゃだめよ!」
即答します。
「もうこんなの絶対に嫌です…絶対に戻りません」
時間は進んで昨年の9月、立川で治療した歯が欠けてしまいます。
あの壮絶な痛みを伴った治療から約4年が経過していました。
「あまり同業者のことを悪く言いたくないですが、この治療は雑ですね」
近所の歯医者さんにこう言われて改めて実感しました。
刑務所や拘置所で一般と同レベルの医療が受けられるわけがない、ということを。
具合が悪くて病院へ行って、その先生がしっかり診てくれなかったり、話を聞いてくれなかったり、自分に合わないと思えば他の病院へ行きますよね。
診断結果に納得いかなければ、セカンドオピニオンを受けることもできます。
刑務所や拘置所ではそんなことはできません。
派遣される医師以外に診てもらうことはできないのです。
診察方法や診断結果に疑問を持っても、受刑者側は何もできません。
私が立川拘置所で受けた治療はあまり内容の良くないものだったかも知れません。
受刑者には健康保険が適用されません。国民の税金から治療費が捻出されます。
治療ができただけ感謝しなくてはいけないと思う反面、
私はもう二度とあんな医療は受けたくない、心からそう思いました。
前回のブログ 居室外作業を目指して はこちら
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