12月棒日です。

昨日はあまりにもソワソワし過ぎて、男優クンと朝まで飲んでました。
3軒目のキャバスケ達がNOと言えないダメ女だったみたいで、男優クンが彼女達を無理やり2~3人引っ張ってきました。
しょうがないので、みんなでゲイバーに移動しました。

自分は明日があるからと強くたしなめたのですが、30分後には背後からDカップを揉みしだいておりました。
意志の弱い東条です。
嫌になります。

すっかり酔いが回っちゃって、自分の耳たぶを甘噛みしてるのがDカップのキャバ嬢なのかニュハフなのか区別がつかなくなった頃、ようやくおうちに帰ることにします。
男優クンはというと、リアルなゲイ3人に囲まれてパンツを脱がされてしまい、風呂にも入ってないものを甘噛みされてます。
もう地獄絵図です。

すっかり火照った顔の男優クンを引きずって帰ります。
少し涙目ですが半笑いです。
ちなみにちょっと内股です。

仮眠を取る間もなく、肉ジョンナムからのモーニングコールです。
今日は博多で皆さんをお出迎えなのです。
心なしかオネェな語尾の男優クンの運転で一路博多を目指します。

予約した天神のホテルのカウンターの、少しだけいやらしそうな受付嬢を視姦しながらとりあえずチェックインします。
仮眠する間もなくもう夕方です。
寝ぼけまなこなのに、自分の部屋になぜか肉サンと、凄腕の呼び声高いちょなnさん(仮名)がいます。
挨拶もそこそこにこの方達はパチンコの話をしています。
困った人達です。

しばらくすると、金持ちのクズが部屋中に溢れてきましたので、階下のティーラウンジに移ってとりあえず迎え酒です。

隣ではテレビで見た顔の、江口〇介みたいな名前の凄腕が、同じくフライング気味に生のジョッキをあおってます。
ガチプロのクセにやってる事は同じです。
親近感が湧きます。

ちなみにほとんど寝てない男優クンは、内股のまま中洲に行きました。
口直しだそうです。

二日酔いと寝不足のせいで全く空腹感はありませんが、今から絶品のモツ鍋です。
各地から様々な凄腕が一堂に会するとのことです。
今回はカナリの人数みたいです。
中には少し困った人も混じってる予感も致します。
期待と不安の中、いよいよ棒年会が始まりました。



続きが思いやられます。



今年も残す所あとひと月になりました。
総決算なんて云いますが、良くも悪くも数字が気になるほど若くもないし、またロクに積んでもいませんので、自分は淡々とした師走を過ごしてます。

過剰な力みも弱気も必要ない稼業と割り切れば、見苦しい気持ちの振り子も静かになります。
何の取り柄も無い自分ですが、案外こんな所が長年しのいでいられる適性の一つなのかもしれません。


欠損といえば、とある20年来の知り合いがいます。
そろそろ還暦を迎えようかというオッサンです。
少しだけ枠外の生き方でしたので、松葉杖が手放せません。
身体のご不自由なお年寄りは沢山いらっしゃいますが、この人は不自由というより、無いんです。
膝から下が欠損です。

他は至って元気だし、欲深いし助平なので悲壮感はまるでありません。
でも時々救い難いほど行儀が悪いので
「50m走でわしに勝ったら1万くれてやる」
とか意地悪を言ってやります。
顔真っ赤にして怒ります。

世間一般に欠損とは、文字通り痛くて重たい意味を持ちます。
欠損と聞いて、皮算用の仕事量に届かない金額としか思いつかないのは、浮き世離れしたガキプだけです。

幾度かの切迫した人生の場面で、このオッサンは自ら欠損を選んだり選ばされたりして、不器用に不細工に永らえてきたのだと想像に難くありません。

もちろん自業自得ゆえの欠損と見るのが自然なのかもしれません。
しかしそんな小賢そうな正論も、身体の欠損という圧倒的なリアリティの前では、ちょっとかすんで聞こえます。
世の中の人全てがガキプのように賢いわけではありません。
頭が足らない分、他で支払った結果が、等価交換の膝から下です。

しかしこのオッサン、憎らしい程ツラの皮が厚くなり過ぎて、約束なんかほとんど守りません。
自分のような苦労足らずはしょっちゅう騙されます。
先月の利息を取れないばかりか、コンビニ弁当と煙草まで買わされました。
悔しいです。
オッサンの障害者手帳をぶん取って市役所に行き、嬉しそうに金を受け取ろうとして通報されたのは10年前のちょうど今頃です。
悔しかったです。


文字通り地に足が付いてない、そんな世間から弾き出されたオッサンの欠損は、永遠に収束しないと思います。
でもその無いはずの膝から下が、オッサンのしたたかさを支えている気がしてなりません。
昨日ユ〇クロのダウン買わされました。



悔しいです。

こんばんは。東条でおま。
夕刻過ぎ、御堂筋線から吐き出されるとさすがに冷えます。
人並みの季節感までもちょっと足らない残念な自分は、今日も安定の薄着です。
頭の中で心許ない所持金を数えながら、久々に会う旧知の友人を待ちます。
衝動買いするには高すぎるフェンディのコートが視界に入りますが、やっと固い話抜きに飲める酒が待ち遠しくて一時寒さを忘れます。

今ちょっとしたおつかいで大阪に来てます。
ヤネコイ用事は適当にやっつけまして、すでに心斎橋まで抜け出してきました。
どこもかしこも安定の関西弁です。
家路を急ぐお姉さんも、今から出勤のキャバスケも、いずれ劣らずいい匂いです。
露骨な人待ち顔の東条は少し浮いちゃってますが、大阪は都会なのでそんなこと気にしてくれるヒマなオネーチャンは一人もいません。

マイナーでアナログな自分を再認識させられるせいか、他の地ではさほど感じない言葉の壁を感じます。
大阪や神戸のド真ん中では自然と口数が少なくなってしまう、ニワカ自閉症です。
会話にオチなんか無い自分は、大阪にくる度に会話に不自由します。

きっと下品なハズなのに無口な自分を見て、周りを囲むホステスも若干不安げです。
静寂に耐えかねた親切なビッチがぶっ込んでくれますが、いかにもおそるおそるです。
すまんな、っていうと何故か平べったい顔で余計に固まってます。

自閉症の方のお気持ちを推定20Kで堪能させて頂いて、次の店に向かいます。
なかなか酔いが回りません。
浪花の極嬢のフェロモンにまみれても、心のパンツは穿いたままです。

しかしいくら苦手だとはいえ、少年期の人格形成において、かの鶴光師匠の多大なる影響を受けました。
嫌いなどころか、実は憧憬でさえあります。

永らくクズでいるせいか、いつの頃からか、あまり自己主張をしなくなりました。
フレンドリーで、なおかつズル剥けのインパクトを併せ持つ関西弁は、羨ましさとともに妬ましささえ覚えます。

高級感というより気さくな感じの店に移って、ようやく人心地を取り戻しました。
改めて大阪で飲んでる気分を実感します。
芯からほぐれて悪くない気分です。
もうこうなっちゃうと、脈絡もなく3文字を連呼して寛ぐ東条です。
でおま。
自分の素性も問わず、暖かく接してくれる垂れ目のケバ嬢は、店の躾というより本人の資質でしょうか。
近くて遠かった大阪が、今回また少し好きになりました。


続きます。