先日イタリアのドキュメンタリーを何気なしに見ていた時、ある重い自閉症の男性がそれまでにできなかった色々なことができるようになって”bravo!”と声をかけられ、”che bello sentirmi dire bravo" ( bravoって言われるのってすごくいい気分だ)と言っていた。
ブラーボ(オペラ鑑賞などで使う”ブラボー!”と一緒だけど、なぜか日本式だと伸ばす位置が違う)とはつまり”上手、素晴らしい”と言った意味の褒め言葉である。
日本語だと、”上手ですね”とか”偉いですね”とかは目上の人には使ってはいけないが、bravo! はどんな場合にも使えて、ある場合には”そうだよ、その通り”みたいに相槌を打つときにも使う。
だから、これは”褒め言葉としてだけ”に使うわけではないが、テレビの男性の嬉しそうな顔から、イタリア人にとってbravo ってすごく良い言葉なんだな、と改めて実感した。
例えば私も、イタリア人の全くの初心者に日本語を教えるとき、bravoを連発する。これは彼らの不安を取り除くのにすごく効果がある気がしている。
なぜか知らないが多くのイタリア人は日本語を勉強し始めることに”すごく難しい、できないんじゃないか。”という不安を持っていて、例えるなら”目隠しをされて歩いているような状態”だと思う。
初回1、2回目はもうガチガチに緊張しているのが普通で、それがだんだん、早い人だと3回目くらいからリラックスできてくる。リラックスできてくる理由の一つが、やっぱり”覚えられた、理解できた”という自信からくる安心感のようだ。
だから、一つ言葉が言えたらbravo , 単語を覚えてきたら bravo、発音がとても良かったら(大概いいからね)bravo.と連発している。(女性の場合はbrava)
言い過ぎたらあんまり真実味がないんじゃないか?と思ったこともあったけど、何か一つでもクリアできたことがあったら言った方が良いなあと思うようになった。
まあそういう私自身も実は超初心者状態でヨガを習い始めたのが1年前であるが、タラタラとやり続けていたら最近先生に褒められた!
そう言えば、以前はできなかったポーズができるようになったし、自分でも成果がちょっと感じられていたので、褒められてとっても嬉しかった。
単純かもしれないけど、やっぱり褒めて褒められて、気分良く何かが上達できるのが一番!ですね。