日本から見てヨーロッパというのは遠い存在だ。

ヤフーニュースの”国際”欄を見てもヨーロッパ

で大々的に報道されているニュースが出てこない

ことも多い。

 

今日、3月25日にローマでEUという存在を

再確認するための、

ローマ条約調印60周年記念イベント

が行われた。

(イタリア時間では今生中継でやってる・・)

 

このイベントがローマで行われるので、”危ないから

デモ集会などに近づかないように”

とのお達しが日本大使館から送られてきた。

日本大使館は我々イタリア在住日本人にいろいろな

ことでメールをくれて日本国民として守られている

ような気にさせてくれるので嬉しいのだが、

それにしても”我々は関係ないですから”

という意識がありありと見える。ここに暮らして

いる以上、日本国籍の私にもEU問題は身近なのだが。

 

 

このイベントは27国の代表が新しくローマ条約の

更新にサインをして、”EUとは何か”という

概念を考えさせられる時間でもある。

イタリアの新聞ではこの調印について”結婚”に

なぞらえて、”ダイヤモンド婚”と言っているが、

この婚姻関係から1国離婚したものがいる。

知っての通り、イギリスだ。

 

イギリスのEU離脱については去年ものすごい話題

になって株が下がったりしたのだが、その

影響は確実に現れてきている。

特にイギリスの若者がかわいそうだ。イギリス

以外の国で仕事を探したり勉強するのが、今まで

よりずっと困難になるであろう。

イギリスのEU離脱が決定した翌日から国民が

”私も離脱に投票したけどまさか本当に離脱に

なるとは思わなかった・・”と言っていた、

あの、恐るべし国民投票の結果責任を背負って

いくのである。

 

ヨーロッパの歴史は戦争の歴史であった。

たったの60年前まで、こんなに近い国々が

いがみあったり戦略し続けたりしてきた

という事実を踏まえた上で、今の状態は

素晴らしいことである。

いがみ合いの歴史の中では本当に短いが

頑張って共同体を続けようとしているという

意義は大きい。

 

人類が進化するということはつまるところ

平和に向かうということなので、イギリスや

アメリカの自国思考が少しずつ表面化して

きている今だからこそ、改めて

共同体のメリットを再確認するべきだと思う。

 

日本はある意味、こういう問題はあまり起き得ない

地形でありお国柄なので、幸か不幸か、

世界の一人っ子であるなあ、と思うのである。