餃子の最大手チェーン「餃子の王将」の大東社長(当時)が何者かに射殺された事件。

その手口はバブル崩壊後の住専の不良債権処理を巡る93年の阪和銀行副頭取射殺事件や94年の住銀名古屋支店長射殺事件を彷彿とさせる。

事件発生から9年後の先日、実行犯が逮捕された。

テレビニュースでは大々的に逮捕を報じているが、既に数年前から実行犯は特定されていて、これまで週刊誌等でも報じられていたので驚きよりも、「やっとか!」という印象だ。

実行犯は単なるヒットマンであり、その背後にまで捜査が及ぶのかが気になる。

一橋文哉氏の「餃子の王将社長射殺事件」(角川書店)ではU氏として紹介される人物が、産経新聞ではX氏と記され、第三者委員会の報告書ではA氏と指摘されている。王将フードサービスとU氏の間で不適切な取引があったり、王将の様々な案件にU氏が暗躍していたというものだ。

ただ、U氏は以前、週刊新潮で実名で「【王将社長射殺事件 黒幕と疑われた男の告白】私を犯人扱いした京都府警」登場し、事件への関与を否定している。

実行犯逮捕後、新聞各紙が「社長射殺」(読売新聞)、「急転『王将』事件」(朝日新聞)、「深奥 王将社長射殺事件」(産経新聞)と特集記事を組み事件を掘り下げているが、どれも一橋文哉氏「餃子の王将社長射殺事件」を後追いしている印象だ。

読売新聞の特集記事「社長射殺」では、「不適切取引 解消に苦悩」と大きな見出しで、社長射殺事件の背後にU氏側との不適切な取引があるのではないかと連想させるような記事となっている。

今後、この事件がどのように進展するかは注目されるが、背後関係が分からない未解決事件になるのではないかと感じる。