ウクライナに対するロシアの一方的な軍事侵攻。
現代社会で力による現状変更は許されない。
しかしながら、残念な人間の性か、争いが途絶える事はない。
また、国や宗教、立場が違えば、見えてくる風景も違ってくる。
我々、日本人は自由と民主主義を標榜する西側陣営の一員だから、伝わってくる視点は西側の考え方に沿ったものになる。
過去の戦争において、世界の世論をどのように味方に付けるのかは大変重要なポイントとなる。
湾岸戦争において、アメリカをはじめとする多国籍軍がイラクに対して武力行使に踏み切った背景にはPR会社の存在が大きかった。
イラクのクウェート侵攻から2ケ月後、クウェートから脱出したクウェート人少女「ナイラ」が米国議会で
クウェートでのイラク軍の蛮行を証言した。
彼女の証言が議員を動かし、アメリカ世論を動かし、その後にアメリカの武力行使につながった。
その後、ニューヨークタイムズがクウェート政府とPR会社「ヒル&ノールトン」が情報捜査をしていたのが発覚した。
クウェート人少女「ナイラ」はクウェート大使の娘で、クウェートでも暮らしてはいなかった。
ボスニアヘルツェゴビナを巡る紛争でも、ボスニア政府はアメリカのPR会社「ルーダー・フィン」と契約を結び、世界的に「セルビア=悪玉」という世論を作り上げた。
今のウクライナでPR会社が介入しているかは分からないが、戦いが終わった後に全てが明らかになるのかもしれない。