韓国で慰安婦問題が新たな局面を迎えている。

 

元慰安婦で活動の中心的役割を果たしてきたイ・ヨンス氏が韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)を痛烈に批判する会見を行った。

 

イ・ヨンスさんは挺対協の元代表のユン・ヨヒャン氏を名指しで「政治的、個人的目的のために自分たちを利用してきた」、「30年間にわたり騙されるだけ騙され、利用されるだけ利用された」と批判した。

 

ユン・ヨヒャン氏は先日の韓国総選挙で「共に市民党」から当選した。その中で我々、日本人が注視しなければならない発言がユン・ヨヒャン氏からの反論の中にあった。ユン・ヨヒャン氏はイ・ヨンス氏からの批判に対して反論する中で「(30年前に)イさんと最初に電話で話したときは『わたしではなくわたしの友人が・・・』だった」とイ・ヨンス氏が元慰安婦でなかったとも受け取れる発言をした。

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/05/09/2020050980029.html

 

いわゆる慰安婦問題では挺対協の慰安婦へのインタビューが韓国でも、日本でも、世界でも「事実」という認識になっている。ただ、彼女らの証言は挺対協へ話した事、日本で話した事、裁判で話した事が違うという問題は以前から指摘されていた。

 

その中で今回のユン・ヨヒャン氏の暴露ともとれる発言は真実を知りながら事実を歪曲化し利用していた事になるのかもしれない。

 

現在では朝日新聞が謝罪した事から済州島で慰安婦狩りを行った等の吉田証言等もねつ造だったと理解する人もいるが、私が国会で慰安婦問題を取り上げた際はまだそのような空気でもなかったし、今でも日本では作られた慰安婦のイメージがある。日本ですらそうであるから、韓国や世界では全く慰安婦問題が我々日本人の知っている事実とは違う事になっている。

 

そのような意味では歴史を捻じ曲げた「河野談話」の罪は深いし、未だにこの談話が何も検証されず、歴代内閣で踏襲されていくという事実は残念でならない。