ふるさと納税を巡る国と大阪府泉佐野市との訴訟で大阪高裁は国勝訴の判決を下した。

 

この裁判は高額なふるさと納税返礼品を提供する泉佐野市に対して総務省が是正を求めているにもかかわらず従わなかったという事で、ふるさと納税の新制度から泉佐野市を除外した事は違法であるとの取り消しを求めた裁判だ。

 

私は参院議員時代に総務委員会に所属していた関係で、このふるさと納税制度が創設される時に何度も税の受益者負担の関係でもこの制度はおかしいのではないかと指摘し続けた。

 

○外山斎君 ふるさと納税では、地方公共団体間で寄附金集めを行い、奪い合いの競争となる懸念もあると思うのですが、多くの委員の御指摘のように、寄附者に対して高級牛肉を贈ったり、キャラバン隊を組織して寄附金を集める準備をしている自治体等などもあります。地方団体出身の有名人を使って勧誘を行うなど、制度の濫用も危惧されるとの指摘もありますが、こうした濫用防止のために措置を検討するべきだと思いますが、また、寄附金集めのためのPRなどに別の予算を使うとなると本末転倒ではないかと思います。
 総務省は、各地方公共団体のこうした取組に対してどのような所見を持っているのか、お聞かせください。
○国務大臣(増田寛也君) 研究会の中でも、今お話ございましたとおり、特産品などの贈与がいいのだろうかどうかということでの懸念も研究会の中でありましたし、良識ある行動を期待するということでの委員からのお話もございました。
 これは、当然各自治体、全国千八百あるわけですけれども、それぞれどういう行動を取るのかというのはそれぞれの自治体の御判断ということになりますけれども、私はこれだけ今地方自治が叫ばれて進んでいる中で、多くの団体がこういったことでとっぴな行動を取るというようなことは余り考えられないんではないかと。それぞれの議会の中でも当然チェックをされるでしょうし、それから、首長がいろいろ過大なことを約束しようとすればやはり良識は働くんだろうと思います。
 まさに自治の良識のようなことがそれぞれ問われているのであって、国の方でそうしたことに対してはこうしたことをしては駄目とかいうようなことを申し上げる性格のものではないと思っておりますが、制度の趣旨、それから仕組み等はよく自治体の方に御説明をした上で、それぞれの自治体の言わば良識ある行動を期待しているのは私どもも事実でございます。
 あと、いわゆる宣伝広告費などもお掛けになるところも当然あるだろうと思いますし、まさにそれぞれの自治体の良さをPRすること自身は常にいつの時代も必要だろうと思いますので、そうしたことについては十分行っていただくことはむしろ後押しをしていかなければならないと思うんですが、そういったふるさとに対しての思いですとか、あるいは多くの国民の皆さん方からその地域の注目を集めていただくということでこの制度を適切に使っていただいて、また、集まった寄附金などをうまく活用していただいて、更にそれをより次のそういうPRに使っていただいたりして、どんどんどんどん地域を活性化していただくというか活気付けると、そういう契機などに使っていただければいいんではないかなというふうに思います。
 

泉佐野市のような行動が起きる事は当初から想定されており、これについて何もやらなかった国の不作為であり、泉佐野市だけを一方的にスケープゴートのように総務省が叩く姿は総務省の地方への圧力以外の何ものでもない。

 

ふるさと納税制度は、沖縄の首里城再建等よい部分もあるが、返礼品競争が過熱したり、納税自体がショッピングサイト化したり、また高額納税者程その恩恵を受ける制度であったり本来の趣旨とも違えば、納税制度からも逸脱しているいびつなものとしかいいようがない。

 

国や政治家がやるべき事は、泉佐野市のような自治体をいじめる事ではなく、ふるさと納税制度そのものを継続性も含めて大きく変えていく事ではないか。