昨日、厚生労働省は2019年に生まれた子どもの数が86万4千人になると発表した。統計を始めた1899年以降で初めて過去最少で初めて90万人を下回るとの事。

 

第一次ベビーブーム期は270万人も生まれた子どもは、第二次ベビーブーム期では210万人へと。1975年に初めて200万人を割り込み、1984年には150万人を割り、2016年には100万人を割り97万6978人となった。

 

特にここ数年の落ち込み方はひどい。

 

2012年12月に第二次安倍政権が発足したが、民主党政権時は子ども手当等もあった為に子育て政策に対して国民も賛否は別として関心は示していた。少子化対策や子育て支援策は中期的な政策の部分もあるので安倍政権発足から数年間は除外しないといけないと思うが、2016.17.18.19をそれぞれ見てみると、2016年は97万6978人(2万8699人減少)、2017年は94万6065人(3万913人減少)、2018年は91万8379人(2万7686人減少)、2019年は86万4000人予定(約5万4000人減少)。

 

政府は当初、今年の出生数は87~88万人と予測し3万人前後の減少と見込んでいたが、検討外れの大失態と大失政としかいえない状況になっている。

 

このままだと10年後には50万人を確実に下回っているだろう。また、第二次ベビーブーム期の大人達も出産適齢期から外れていくので、今後は今の見通しよりも加速度を増して子どもの数は減少していく事が考えられるとともに、それが今回の数字を物語っている。

 

私はこの国の最大の危機は少子化にともなう人口減少問題だと思ってる。だから、ここ数年何度も何度もそれを訴えてきている。人口減少は国の力をあらゆる面で奪っていく。特に経済が縮小していく事は正しい方向ではない。

 

この衝撃的なデータを受けて、新聞等の報道各紙は育休等の環境整備が急務だと言ってるが、それで人口減少や少子化を止めれると思ったら違う。環境整備ではなく、子育て世代の可処分所得を増やす方策を示す事が重要だ。ただ、この策は合計特殊出生率を上げる事には効果はあるだろうが、生まれていくる子どもの数を増やす事には即効性はないとも考えられる。そのような観点からいえば、この国は今から移民受け入れの議論をしていかねばなならない。少子化対策もせず、移民受け入れの議論もしないうちに、人口減少は我々の想像以上に加速している。

 

安倍総理は2016年9月のニューヨークでの講演会で「人口減少は向かい風ではなく、むしろ追い風だ」と力説したが、このような感覚の人がこの国のトップである内閣総理大臣を務めていては、人口減少に歯止めがかかるわけがない。

 

また、従来より内閣府には少子化対策の担当大臣がおかれているが、これまでの歩みをみていても何の実績も残さない無策・無能の大臣が続いたと感じる。そもそもが、この国の最大の危機に対してその担当大臣を他の大臣と兼務させメインの問題に据え置いていない時点で、この国の先が思いやられるのは簡単に想像がつく。

 

この国は無能な政府・政治家によって沈んでいく。