参院選前は諸派だった、「れいわ新選組」と「NHKから国民を守る党」が議席を得て、また政党要件を満たした事で連日テレビ局が特集している。
国会議員を5人集めて政党要件を得るのではなく、得票率(2%)で政党要件を諸派から得る姿は政治団体としては立派だと思う。
彼らなりのマーケティングの賜物だとは感じるが、これから彼らがどこに向かうかは関心がある。
そのような中、昨日、東京の新宿駅西口でれいわ新選組が開いた集会で代表の山本太郎氏は演説用のスクリーンに竹中平蔵氏の顔を映し出し、「こいつをつまみ出せ!」といい仕留めにいくと宣言したようだ。そして、群衆は「竹中平蔵ろくでもない」をコールしたようだ。
政治や選挙でネガティブキャンペーンはつきものだが、ここまでの個人批判は度が過ぎるし、まるで革命に熱狂する人々のようだ。特定の人物をスケープゴート化するやり方は自由主義、民主主義の政治のやり方ではない。
ただ、私はこの山本太郎氏の言動はある種計算されたものだと見ている。山本太郎氏及びれいわ新選組の演説内容や演説時間を分析すると、ヒトラーも参考にしたフランスの心理学者ル・ボンの「群衆心理」を取り入れていると感じる。おそらく、彼・彼らは参考にしているのだろう。
ル・ボンによると群衆の特徴しとして、①感染する ②過激に走りやすい ③衝動的である ④暗示に弱い ⑤時に高い特性を示す ⑥国民も群衆化する ⑦反復・断言に弱い
権力掌握の手段として、ル・ボンの「群衆心理」を活用する事は決して悪いわけではない。だがしかし、過激になった群衆を指導者層はコントロール出来るわけでもなく、保身に走る権力者が結果として過激になった群衆に迎合していくのは世の常。
山本太郎氏は真面目な政治家だと思う。ただ、同時にれいわ新選組は山本太郎氏のリーダーシップに代表される独裁的な組織だと思う。だからこそ、スケープゴートを作り、過激になった群衆に支えられる政党や団体はいつでも危険な思想へと変貌する可能性をはらんでいる。
ファシズム、ナチズムの誕生も同じようだったし、だからこそ、マスコミは今の彼らを称えるだけでなく、負の部分も取り上げて報道機関こそがブレーキをかける部分はかけなければいけない。