「暴力団」、「やくざ」と言うと誰もが恐れる存在だと思います。

 

一般の社会に暮らす人々であれば、なるべく関わりたくないという思いが強いと思います。

 

警察や行政も力を入れて、彼らを排除しようとする動きもあります。暴対法や公権力の努力により暴力団を脱会する人々は増えてきています。

 

福岡県警の発表では福岡県内の2018年末の暴力団の構成員は1100人、準構成員790人と計1890人となりピーク時(2007年末37350人)から半減したようですで過去最少のようです。このような動きは歓迎すべき話なんですが、問題は脱会した構成員の社会復帰をどうするかまで社会全体で考えないといけないのではないでしょうか。

 

暴力団をやめても暴力団排除条例の「元暴力団5年条項」で5年間は暴力団と同等の扱いになります。そのような中では仕事も銀行口座も作れないという問題が発生してしまいます。

 

確かに、偽装脱会等もあるのでしょうが公的な管理下のもとまじめにやり直そうという気がある人には普通の人と同じ権利を与えてもよいのではないかと感じます。

 

結局、社会が彼らを受け入れる覚悟を示さなければ、脱会したとしてもまた別のアウトローの世界や犯罪に彼らが手を染める可能性もあるわけです。

 

以前、「やくざと憲法」という東海テレビのドキュメント映画を観ると親がやくざというだけで学校に来てくれるなという子どもに対する差別もあったようです。

 

確かに、彼らは怖い存在ですが、暴力団員とその子はまた別の人格であり一括りにみてしまう世の中もいかがなのかと考えてしまいます。

 

先日、暴力団員である事を隠して郵便局でアルバイトをしていた男性(60歳)が逮捕されました。現在の暴力団員は生活困窮者も多いと聞きますが、彼が暴力団を脱会していたとしても「元暴力団5年条項」で働く事は出来なかったわけです。

 

社会は怖がるだけでなく、どのように彼らを更生させ、社会に受け入れていくのかというのを考えるべきだと思います。

 

以前、NHKの「ノーナレ」という番組で「元ヤクザ うどん屋を始めました」と工藤会の元幹部が北九州でうどん屋を始めたドキュメンタリーをやってましたが、今では大変な人気店になっているようです。

 

犯罪を減らし、ヤクザ、暴力団を世の中から追放する為には我々の寛容な心も必要なわけです。

 

 

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190123-00009139-bengocom-soci