来年の参議院選挙に向けて野党の鼻息が荒いと感じる。背景には自民党総裁選で安倍総理の票が思った以上に伸びなかった事や沖縄知事選で野党各党が推した玉城デニー知事が誕生した事が大きいと思うが、果たして野党各党が思い描いているような展開に参院選はなるのだろうか。

 

2013年の参院選は公示前84議席だった自民党が改選で65議席を獲得し、非改選と合わせて115議席と大幅に勢力を伸ばした。一方、公示前86議席を有し最大会派だった民主党は改選議席をを17議席しか獲得できず新勢力が59議席と大幅減となった。

 

2016年の参院選は公示前115議席だった自民党が改選で56議席を獲得し、121議席と更に伸ばした一方で、野党最大会派の民進党は32議席を獲得し公示前60議席を49議席へと減少させた。

 

参院選は一人区が勝敗のカギを握るといわれているが、2013年は31議席中 自民党29議席、野党2議席。2016年は32議席中 自民党21議席、野党11議席。

 

野党各党は2016年の野党共闘の成果で一人区での野党の獲得議席が増えたと考えているようだが、単なる野党共闘をしても11議席前後が限界なのかもしれない。

 

野党が本気で政権奪取を狙い、その前に参院選を制する為には一人区を含めて自民党に負け越してよいはずがないが、今のままだったら同じような結果になるのではなかろうか。

 

それを象徴する選挙が昨日、新潟で行われた。自民党が支持した前参議院議員の中原八一氏が新潟市長選挙に当選した。新潟市長選挙は自民系が分裂するという展開だったが、立憲民主党・国民民主党・共産党・自由党・社民党など野党5党が支援した前新潟市議の候補は敗れた。野党系候補は市議選トップ当選者だったが、やはり中原氏の知名度の高さには勝てない事と保守系を切り崩さないと野党系は勝てないという証明だと感じる。

 

以前、ブログで「沖縄モデル」と「新潟モデル」を説明したが、今回の新潟市長選挙も甘い見立てで「新潟モデル」で戦った事が現状だろう。11月には新宿区長選も行われるが、これも従来の野党共闘のやり方である「新潟モデル」を踏襲しているように感じるので結果は自ずと決まってくるのではないだろうか。

 

今のままでは来年の参院選は全国で「新潟モデル」が展開される事になる。これで、本当に勝利を呼び込めるのだろうか?

 

読売新聞の最新の世論調査では自民党の支持率が5ポイント減少したものの、その受け皿は各野党ではなく「支持する政党がない」が吸収している。従来の野党が共闘すれば勝てるというのは野党各党の願望でしかない。

 

そこで、橋下徹氏が従来の野党共闘とは一線を画す野党各党による候補者の一本化の為の予備選の導入を訴えている。従来の誰がどこで決めたか分からない制度で負けるより、予備選という形で公平に明確に決める事と、参院本選前に予定候補者の知名度が確実にあがる妙案だと感じる。

 

野党各党の来年参議院選への本気度が試される。

 

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