オウム真理教が起こした地下鉄サリン事件をはじめ、様々な犯罪で罪を犯した死刑囚の全ての刑が執行された。
彼らが犯した罪の大きさを考えれば、極刑は免れない。ただ、教祖の麻原彰晃こと松本智津夫元死刑囚や一部の幹部に比べれば、サリンの製造や散布を行った元死刑囚達は「服従の心理」のもとで従わざるえなかったわけであり、他に方法はなかったのか、また誰でも同じような状況に陥る可能性はあるのではなかったのかと考えてしまう。
そして、その元死刑囚よりも何よりも犯罪を犯してしまった息子を持つ親たちの心境は複雑だろう。
元死刑囚の息子からの面会を拒む母親もいたし、息子に家族全員で会いにいった家庭もあった。
親の証言では、みんな真面目で、心優しい人物だったという。
彼らの正義感を麻原は言葉巧みに利用したのだろう。
息子たちは「救済するんだ!」と言って出家していき、中には説得を諦めて暖かく送り出した家庭もあった。
「なぜ、入信するのを止めれなかったのか?」と親たちは深く深く自問自答するだろう。
元死刑囚の彼らは、いつでも私たちと紙一重で隣り合わせなのかもしれない。
今後も似たような事は姿、形を変えて、我々に襲いかかり、現実問題として家庭に突き付けられるのかもしれない。
そんな時に親として何が出来るのか?
Mr.Childrenの「タガタメ」という曲に、
子供らを被害者に 加害者にもせずに
この街で暮らすため まず何をすべきだろう?
でももしも被害者に 加害者になったとき
出来ることと言えば
涙を流し 瞼を腫らし
祈るほかにないのか?
という歌詞がある。
子どもを持つ親としても、深く考えさせられるテーマです。