今日にも参院定数を6増やす自民党案が参院の委員会で採決されるという話がある。

 

この自民党案では埼玉選挙区の定数を2増やし、比例代表も4増やし、合区対象の候補者を救済さる為に比例区に拘束名簿式を特定枠としていれようとしている。

 

はっきりいって、めちゃくちゃ分かりにくい選挙制度になる。

 

そもそもが、このご時世に議員定数を増やす事に国民の理解が得られるのかという話になる。

 

確かに、「一票の格差」是正の問題や人口の多い都市部に議席数が集中してしまう事への是非の問題はあると思う。

 

だからといって、なぜそれで議席増を前提として考えないといけないのかという問題点に多くの国民は納得しないのだと思う。

 

仮に「一票の格差」や人口比に対する議席集中の問題であれば、それはやはり憲法改正を行って、そもそもが国のカタチを変える議論からやらなければならない。よくアメリカの上院を例にだして、アメリカは各州1議席(選挙ごと。合計2議席。)なので、日本でも各県1議席という議論をする方もいるが、中央集権体制の日本と連邦制のアメリカとで同一視する事はできない。

 

合区に対して反対であるならば、我が国のカタチそのものを変える議論をする以外にないのだ。

 

自民党は、そもそもが各県1議席は必ず与えるといった憲法改正を狙っていたところがあるが、そんな大局ではなく自らの利益誘導とも捉えかねない憲法改正等国民の理解は得られない。

 

そして、彼らは憲法改正が無理な状況下で、この多くの人々が理解できない定数を6増やす選挙制度改革案を示してきて、それをごり押ししようとしている。

 

そもそもが、日本は人口減少社会に入っており、議席を増やさなければいけない理由がない。

 

更にえば、2012年の消費税増税を決めた際に「国会議員定数の大幅削減」を自民、公明、民主(当時)は約束していたにもかかわらず、未だに1議席たりとも議席は減らせられてない(先の議員定数削減は「一票の格差」是正のため)。未だに国会は国民に約束した事を守っていない。

 

守っていないどころか、議席増など国民を欺くとしかいいようがない。

 

こんな事を本当に許していいのか?

 

さらにいえば、今回の自民党の示した比例代表に拘束名簿式の特定枠を設ける事で選挙制度は更に複雑になる。

 

ここまで、自民党が党利党略に走る姿をみると、世も末だとつくづく思ってしまう。

 

自民党議員に仮に羞恥心というものがあるのであれば、せめて6増に関わる国会議員に関連の経費増は議員歳費や立法事務費、公設秘書給与の削減で賄うべきだと思うが、彼らにはそんな考えもないと思う。ちなみに、公明党が同様の付帯決議を検討しているとの事だが、付帯決議では弱すぎます。

 

また、自民党の若手も情けない。彼らはこの選挙制度改革に抗議の声明文をだしたのに、青年局長自ら参院に謝罪にいっている。こんなパフォーマンスだけの政治はいらない。

 

このような国民不在の党利党略を繰り返す政治はやはり変えなければいけない。

 

http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3416621.html