平成29年に生まれた子供の数が2年連続で100万人を割りこみ、統計開始以降最少の94万6060人になった。また、その数は前年よりも約3万人減少している(2016年97万6979人)。統計を開始したのが明治32年という事なので、時代を超えて確実にこの国の人口減少へと突き進んでいる事になるし、その歯止めがかからない。

 

データによると晩婚化、晩産化の進行は鈍化しており、未婚化が進んでいるという事だ。生涯未婚率(50歳までに一度も結婚した経験がない人の率)は平成22時に男20.1%女10.6%だったのが、平成27時には男23.4%女14.1%と大幅に上昇している。また、年代別でみても35~39歳の未婚の割合は男35%女23.9%とかなり高く、晩婚化や未婚化の象徴的なデータともいえる。

 

ここで間違った発想は「婚活イベント」を支援すればいいという勝手な政治や行政の思い込みはまた費用対効果でみた時に殆ど効果がない事になる。未婚化の理由として「出会いがない」という理由がよくあげられるが、確かにそれは一理はあるかもしれないが、婚活イベントで出会いを演出してもそれが結婚に結びつかない理由が人口学的・民族学的にあるとされている。

 

日本の場合、女性が自分よりも社会的地位の高い男性と結婚するというハイパガミーの傾向が強いとされ、それをなかなか改善できないのが晩婚化、未婚化につながり、結果として少子化に拍車をかけている原因となっている。

 

本来であれば、この考え方を変えるだけで簡単に未婚化の改善となるが、それは容易ではないし、むしろ困難である。

 

この人口減少、少子化の問題を語る時に「子育て政策」にばかり力点を置く方がいるが、上記の事も考慮しなければならないのだ。

 

確かに、その支援は大事だし、その拡充も必要だ。しかし、その「子育て政策」だけで日本の人口減少が止まると考えるならば、それはデータをしっかりと分析できていないと言わざるえない。

 

この人口減少に対して、政治がやるべき事は子育て支援の拡充もだが、やはり外国からの優秀な人材を我が国へと迎え入れる移民政策しかないのではないか。

 

毎年のように目にする「過去最低の子どもの数」という言葉をそろそろ終わるようにする政治判断が求められる。