先日、NHKの「元ヤクザ うどん店はじめます」というドキュメンタリー番組を観ました。

 

「怖い」というイメージがあるし、なかなか扱えないトピックなだけに、「NHKもやるな!」と感じますが、今の現代社会の矛盾を炙り出す番組であったと思います。

 

暴力団という組織の怖さは実際に彼らを見たことがない方でも、多くの日本人は共有しているはずです。その上で、彼らの行ってきた反社会的な行動は許されるわけはなく、暴対法や排除条項で彼らの数は激減したし、一部を除いて彼らが幅を利かすような社会でもなくなりました。

 

多くの方が彼らがいなくなって欲しいと願って、数が激減したわけですが、問題はどのように彼らを裏社会ではなく、表の社会に暮らせるようにするかですが、ここが現代社会には欠けていて、矛盾があるのかもしれません。

 

実際、元ヤクザの就職率は2%だそうです。じゃあ、残りの98%はどうしているのでしょう?

 

偽装対策もあるのかもしれませんが、脱退後5年以内の者は暴力団排除条項の対象者になるようです。

 

それであれば、どんな企業も雇えるわけありませんし、行き場を失った彼らは元に戻るか、オレオレ詐欺などのアウトローの世界でまた別の犯罪を繰り返すしかありません。

 

なかなか難しい現実があるのだと思います。元ヤクザを受け入れるNPO等もあるようですが、彼らをいかに表の社会で暮らしてもらえるようにするかも考えるべきですし、それが結果として新たな犯罪を抑える事にもつながると感じます。

 

このNHKの番組は、我々が見ようとしない世界にしっかりとスポットを当てた素晴らしい番組だと思います。

 

https://www.nhk.or.jp/docudocu/program/92919/2919607/index.html