世の中は「情報」を先に制した者が、その後の展開を有利にすると言われている。

 

そのような中で、日本政府の情報収集能力は本当に大丈夫なのだろうかと常々、感じてしまう。

 

国としての情報の取り方は、いわゆる諜報もあれば、外交ルート等を含めて付き合いの中で取れるものがある。

 

先日、北朝鮮の金正男氏がマレーシアで暗殺された事件は色々な意味で衝撃的でありました。その日の夜に駆け巡ったニュースの中で、殺害を実行した女2人は既に死亡しているというものがあった。

 

そのニュースを聞いた時に、北朝鮮工作員が実行した大韓航空機爆破事件を思いだした。「ハチヤ・シンイチ」と日本の偽造旅券を持った北朝鮮の工作員は捕らえられた時に歯の中に仕込んでいた毒薬を飲んで自殺した。

 

マレーシアの女たちはどのような方法かは分からないが、暗殺を実行した後に以前の工作員のように自殺を図ったのだと勝手に思った。

 

日本のマスコミは、日本政府の複数の政府関係者の話してして殺害を実行した女2人が死亡していると報道をした。

 

実際は、その後の続報でもお分かりのように、女たちは捕らえられた。

 

日本の情報収集能力が乏しいというのは今に始まった事ではない。だから、そこを問題にしようとは思わないが、「情報を入手出来ない」事と「間違った情報を得る」という事は明らかに大きく異なると思う。

 

ここで気になるのは、「複数の政府関係者」が女2人の死亡をマスコミに伝えている事だ。

複数の政府関係者がこの様にマスコミに伝えているという事は、少なくとも政府はそのような情報が真実だと捉えていた事になる。それを自信をもってマスコミに流したわけだ。

 

海外の機関は日本がどのような情報を持っているのか、常々監視していると思う。そのような中で、この件は海外に日本の情報力をさらした事になる。

 

国交のある、アジアの国からもこのような情報しか取れないような日本の情報収集能力、またその真贋をしっかりと分析できない分析能力は大変問題だ。

 

このようなレベルで海外との様々な外交上や通商上の交渉をやっている日本という国が心配でならない。

 

http://www.news24.jp/articles/2017/02/15/04354208.html