イギリスのEU離脱という国民投票の結果をみていると、世の中が既存の枠内では取られられなくなってきているのではないのか。

特に、今回の国民投票では与党・保守党も野党・労働党もリーダー自らが色々な媒体や場所で国民に対して残留するように求めたわけです。

しかし、そのような力も跳ね除けて国民は離脱を選択した。この現象に似ているのが、今アメリカで起こってるトランプ旋風ではないだろうか。彼は当初は本命視はまったくされていなかった。しかし、いつの間にかに共和党の大統領候補になり本選に挑むことになる。

このイギリスの国民投票の結果やアメリカのトランプ現象は、お利口な事ばかり言い、実は巧妙に既得権益と結びつく現代の政党政治に対するアンチテーゼなのかもしれない。

結局、EUへの残留を求める政府は離脱した場合のリスクを強調するが、それは金融の街シティの声を代弁しているだけに過ぎないのではないかと。また、アメリカ大統領選挙も金融街の言いなりと言われるクリントンに対して異端児トランプなら堂々と対峙するのではないかという希望。

EU離脱に投票した人も、トランプに投票する人も既得権と全く結びつきのない一般市民が大半だったのではないか。

名著「歴史の終わり」を記した思想家のフランシス・フクヤマは、「世界各国で人びとが政党への信頼をなくしているのも事実です。原因の一つは、政党があまりにも長く機能してきたこと自体にあるのかもしれません。政治にかかわる組織は、時間がたつにつれ既得権を生み、それを守ろうとする少数のインサイダーに乗っ取られてしまうことがある。政党も例外ではありません。」と語っており、結果としてそれが政党の「力」や民衆からの「信頼」を弱らせているのかもしれません。

また、日本で起こった橋下旋風や引退後も続く橋下待望論も、既得権に対してしっかりと対峙する姿勢を示し、これまでの政党がやってこなかった事を実行していく橋下氏の手腕をこれまでの既成政党へのアンチテーゼとして認めているから起こったのかもしれません。

そして、今回の東京都知事選挙で小池百合子・新東京都知事を誕生させたエネルギーも、今のような政治ではいけないという思いが強かったからだ。自民党の東京都連の利権構造や小池氏に対するいじめにも似た対応に、有権者はこの「伏魔殿」を壊して欲しいと願ったから、政権与党の自民党・公明党に支援された増田氏や野党第一党の民進党や共産党から支援を受けた鳥越氏を大差で引き離し、既成政党へのアンチテーゼだったのではないのか。

今の、どの国でも政治に突きつけられているのは、政党のスタンスだと思います。既得権に乗っ取られるのか?既得権にも対峙して改革をしていくのか?

フランシス・フクヤマは「既存の政党が自己改革を進めるのは難しい。可能性があるのは、外部からの批判に呼応して、政党内部から改革を志向する勢力が枝分かれしていくような動きでしょう。」と指摘しております。

だからこそ、我々は従来の政党とは異なり、既得権にもドンドンと切り込めるような政党でありたい。それこそが、おおさか維新の会の存在意義だと思います。