昨日は熊本地震以降、二度目の熊本入りを行いました。まずは、今回の地震で住宅1026棟が全壊、4374棟が半壊・一部損壊した益城町を訪問しました。未だに多数の方が避難所生活を余儀なくされており、施設や町の人口などの問題もあるのでしょうが東日本大震災で見た避難所生活よりも過酷な状況に私の目には映りました。視覚障害の方のボランティアをしましたが、障害を持たれた方に対する配慮がされているとは感じませんでした。特にこのように避難所生活が長期化すると世代や性別、障害の有無に様々な配慮も必要になってくるのではないでしょうか。

施設の裏手にある陸上競技場には登山家の野口健が用意したテント村がありました。テント生活を余儀なくされている方と長い時間話込みましたが、「益城は当初から水や物資はそろっていた。家が全壊して、これから新しい家をつくるかっていうとわしらの歳じゃあ…。仮設住宅に関しては噂は聞くものの行政からも何も説明はない」と不安を漏らしておりました。避難所にはペットや子どももいるのでそこでは寝れないという事で当初から車で寝泊まりしていて、その後、車で生活をする方を優先にテントが準備されたようです。「あそこ(避難所)では、生活したくない」という言葉が避難所生活の大変さを物語っておりますし、一日も早く仮設住宅等は整備を急がねばなりません。

そこで感じるのは、東日本大震災と違って交通インフラやサプライチェーンがめちぇくちゃに寸断されている状況ではありません。しっかりやれば、もう着工にうつっていてもおかしくないのではないでしょうか。仮設住宅の着工が進まないのは政治や行政の怠慢でしかないのではないでしょうか。方針は示されているものの、避難者に説明もなく、まだ着工をしていないという事は今後さらに数週間の避難所生活が必要になります。

あの益城町の避難所の生活を見れば、いかに政治がのんきで、GWだからといって国会が休会状態になるのはおかしいのではないでしょうか。この国は危機よりも国民の生命や財産よりも政治家の休みを優先するのでしょうか・・・。こんな国では憲法を変えようが、緊急事態条項を整えようが何も変わりません。

益城の後は、前回訪問した熊本市の救援物資の集荷所を訪問しました。前回も物資はかなりあったのですが、今回はそれにも増して救援物資が届いておりました。全国から様々な方や自治体や団体から救援物資が届くのだと思います。その中で、やはり目にあまるのが各自治体から送らてくる救援物資です。ほんとに、今のニーズに合っているのか?と思う物がたくさんありました。熊本市内は普通にお店も営業しており、当初の物資不足は解消されております。そのような中、今の時期に乾パンなどを送ってる自治体等もあるわけですが、どういった連絡調整をしているのでしょうか?熊本市もどういったものが必要なのかを送ってくる自治体にしっかり伝えてないのではないかと感じます。前回、訪問した時も感じたのですが、熊本市のリーダーである大西市長がしっかりとマネージメントする力がないからこういった事が起こるし、当初 避難所に物資が届かないという状況が生まれたのではないでしょうか。熊本市の場合、物資の配送をトラック協会に依頼するのが遅かったり連携等があまりにもとれていないようにも感じました。

確かに人口を多く抱える政令指定都市が巻き込まれた災害であり、混乱するのは分かるのですが、大西市長の情報発信のあり方を見ても、市長や行政自体が混乱したので更に混乱に拍車がかかったようにか私には見えません。もっと市長が冷静な対応に徹すれば、物資の問題はうまくいったのではいないでしょうか。新潟の地震の時はそもそも物資受け入れ等を被災自治体ではなく周辺自治体に任せました。なぜ、熊本市がそれをしっかりと伝えなかったのか、なぜ政府もそれをやるように進言しなかったのが疑問が残ります。

政令指定都市を抱える県ではどうしても二重行政がこういう震災対応でも生じてしまいます。物資は県にも市にも送らてくる。益城のように物資が最初からある自治体もあれば、熊本市のように物資はあるものの配らない自治体もでてくる。ここで県や市がしっかりと連携をとっておれば対応はかなり違ったのではないでしょうか。同規模の災害が起きた時に人口が多い自治体の方が大変になるのは目に見えております。熊本市の混乱はあきらかに「天災」からトップの能力による「人災」になったのではないかと感じます。

いずれにしろ、阪神大震災、東日本大震災の度々起こる大規模災害の教訓をいかせないでおります。熊本の混乱を他人ごとではなく、国や全ての自治体がしっかりと検証し、今後の災害対応にいかせるようにしなくてはいけないのではないでしょうか。

また、熊本をはじめ九州全体で56万8000泊の宿泊がキャンセルされております。熊本市の街は震災の後ですが活気がありますし、私の住む宮崎よりも震災直後なのに活気を感じました。それだけ普通なのに、大西市長の出されるメッセージが「来るな」とか「車をあまり利用するな」と言ったように受け止められるような発信をされているから、熊本の実情を知らない人に間違った捉えられ方をするのではないでしょうか。道も支援車両が大変なような混雑具合ではありません。(確かに熊本ICや益城IC周辺は渋滞しておりますが、手前で降りれば簡単に回避できます)

なるべく熊本で消費しようと昼も夜も熊本で食事をしました(震災の場合、初期は絶対に全て現地調達は避けるべきです。食べ物、飲み物、ガソリン等。しかし、ある程度落ちついたら今度は消費すべきです)。お店のお兄さんと話をすると、去年のGWよりかなり客足が鈍っているとの事。確かに、昼に比べると夜は若干人が少ないように感じました。今、熊本をはじめ九州全体で消費が落ち込んできているのではないでしょうか。ボランティアは出来なくても、九州や熊本で観光や消費をしてくれる事で経済は沈むことなく復興に向けて加速できます。色々な支援の方法はあると思うのでトライしてみてください。