「衆参同時選挙」の可能性がちらほら噂されております。参議院選挙に関しては固定した任期があるので選挙日というのは多少の前後はあるものの夏の7月という時期と年は変わりません。しかし、衆議院選挙の場合は総理が解散権を行使すればいかようにでも出来るわけです。そして、その解散権は内閣不信任案を可決しない限りにおいては政権与党の有利な時にそのカードを切るというのは当たり前であります。そのような観点からいえば、まだ同時選挙は決まったわけではありませんが、「消費税増税」などなどの課題があり、野党が多弱の状態であるならば、タイミングとしては来年の同時選挙の可能性も依然高いわけであります。選挙を戦う身としては「常在戦場」を常に頭に入れておかねばなりません。

しかしながら、同時に我々が考えなければいけないのは「1票の格差」を巡る問題であります。先日、「1票の格差」が最大2.13倍だった昨年12月の衆院選挙に関して最高裁は「違憲状態」という判断を示しました。これまでも、衆院選挙に関して高裁、最高裁を含めて複数回の「違憲状態」が示されおり、最高裁に限って言えば2009年の衆院選挙以降、三回連続で「違憲状態」と判断した事になります。議員定数の「0増5減」に関しても、「より適切に民意を反映させるため制度改正を急ぎ、格差是正を着実に続ける必要がある」と指摘を受けております。そのような中、最高裁の判決を受け止めれば「衆参同時選挙」を行う為に衆院を解散する可能性があるのであれば、最低条件としてこの議員定数削減に関してはしっかり取り組まなければ、また「違憲状態」や、それ以上の判決を受ける事になるのではないでしょうか。

この「1票の格差」に関して、特に人口の少ない地方では確かに異論があるのも確かですが、日本は各県を基本単位とした連邦制でもないので、やはり日本国憲法の法の下の平等にそった「1票の価値」を徹底させるしかありません。

特に、この手の定数是正の問題でいえば「身を切る改革」を様々なそれらしい理由を付けて嫌がる今の立法府の議員に出来るようには感じません。「維新」の場合は、大阪の議会での実績もあるので徹底した「身を切る改革」は出来るのではしょうが、今の中央の与野党はどこも及び腰なのではないでしょうか。そのような意味では、権限を与えた第三者機関に委ねて、立法府はそれに従い、議員定数の是正に取り組むとした方が良いのではないかと思います。

自分たちに突き付けられている問題を何一つ解消しようとしない人々を見て、有権者である国民は何を思うのでしょうか?

「衆参同時選挙」を決める前に、やるべき事は多々あります。