先日、投開票が行われた佐賀知事選は非常に興味深いものでした。

佐賀は私の第二に故郷ともよべる場所でもあり個人的にも行方は気になりましたが、
「政府対農協」という構図であり、政府がすすめようとする「改革」にも影響を与える可能性が大いにある選挙だったと言えます。

結果は、数日前に立候補表明した農協に推される候補が、政府に推される知名度抜群の首長を抑えて勝利をしました。

この結果を受けて、マスコミ各紙は「自民党三連敗」などおもしろおかしく書きたてておりますが、そんな単純な話ではないと思います。統一地方選への影響を書きたてる紙もありますが、影響はごくごくわずかだと思います。

それよりも、この国の「成長戦略」等に影響が出る事の方が多いのではないでしょうか。政府・自民党は農協改革に踏み切りたい思いが強いはずです。しかしながら、この選挙結果を受けて農協の票をあてにしているいわゆる「族議員」が力を盛り返し、改革を後退させるか、骨抜きにしていくのではないでしょうか。

そして、同時に自民党も今回の選挙で農協票がなければ自民党は国政選挙においても勝てないという事を痛感したはずです。

この選挙結果が、色々な面で日本の政治に影響を与える事になるのではないでしょうか。

そのような中、野党第一党である民主党が代表選挙を行っております。民主党の自主再建を各候補が主張し代表選挙を展開しているわけでありますが、果たして多くの方はそれらの姿を望んでいるのでしょうか。

2012年も2014年の総選挙もいわゆる業界団体を抑えている自民党が、バラバラの他の政党に対して圧倒的に勝利をしました。選挙制度の仕組みから、このような結果になるわけでありますが、いわゆる「1強多弱」の状態は誰もが良くないと感じているのも事実であります。そのような中で、本当に優先すべきは野党再編による自民党に対抗できるしっかりとした政党を築きあげる事だと思いますが、その為には野党第一党である民主党が国家国民の為に勇気を持って決断しなければならなかったのではないでしょうか。2014年の総選挙前に「新党」の動きがありましたが、それはそういう思いの上で進められていた話だと思います。

これから、日本は様々な意味で激動の時代を迎えるでしょう。政治も政党もそれに対応できるカタチへと変化していかねばなりません。