昨日、延岡―宮崎間の東九州自動車道が開通しました。長年の県民の悲願の案件だっただけに各地でお祝いの行事が開催されました。




延岡―宮崎間は県北最大の都市と県都を結ぶ大変重要な区間であり、そこを結ぶ国道10号線は交通量が多い事と大半の区間が片側一車線という事もあり渋滞が続き、この区間を走る時は時間の予測が大変困難になる区間でありました。




その延岡―宮崎間にもう一つの道路である東九州自動車道が開通した事によって、時間の予測が可能になりました。また、来年度中には東九州自動車道が北九州まで開通する事により物流の面でも大きく変わるのではないでしょうか。




09年の政権交代で民主党政権が誕生した事により多くの方が、この東九州自動車道の行方に不安を抱きました。野党時代からも「もし政権交代が起きればつながらなくなる」という風に思われつづけたので、私も「そんな事は絶対にさせません」と言い続けました。



現に、あの政権交代により、公共事業の予算に関して「選択と集中」の方針が決定し、そのおかげでむしろ東九州自動車道には予算が投入され開通時期が大幅に前倒しされていく事になりました。




ひょっとしたら、あの政権交代がなければ、この瞬間の開通のお祝いはなかったのかもしれません。




今は現職の議員でない為に今回の開通には直接かかわれませんでしたが、私たちが撒いた種がこうして芽がでて花が咲いた事にはうれしい限りです。




ただ、同時に我々が考えなければならない問題もあります。




一つはストロー現象です。高速道路が開通して経済効果を期待する声もありますが、むしろ県北は宮崎よりも大きい都市である大分や別府の攻勢を受けるのではないでしょうか。今まで県北で買い物などをしていた方が大分で消費をするなどのストロー現象が起こるのではないかと想像がつきます。




また、高速料金が高すぎて利用できないという可能性もあります。延岡―宮崎間で2350円の利用料金がかかります。よほど急いでいる方はこの額を払えるでしょうが、宮崎―都城間の料金等に比べれば割高に感じますし、この額では利用を控える方が多いのかもしれません。



個人的は利用料金をもっと安くして、多くの方が利用しやすい金額にしなければ、県民所得の低い宮崎県では利用しずらい道路になり、結局のちのちに「誰も乗らない」と揶揄される事になるのかもしれません。あの東日本大震災がなければ、宮崎自動車道や東九州自動車道の一部は無料化の社会実験をやる予定でしたので残念でなりません。



話しは若干それますが、先日東京―青森間のブルートレインが廃止され作家の西村京太郎さんが言われていた言葉が印象的でした。「(廃止されると)人が沢山きますよね。普段からそういう方が来て利用すれば廃止されなかったのに」としみじみと語ってられました。


道路と鉄道は違いますが、「県民の悲願だ!」とみんなが嬉しがるなら、なるべく利用するのも県民の責務ではないかと感じます。