世界は何に注目して、どう動いているのか。




日本という狭い枠に閉じこもっていると、その点が欠けてくるし、世界が日本をどう見てるのかも分からなくなってきます。



フィリピン滞在中はCNNをずっと見ておりました。ウクライナ危機をずっと報道しておりました。日本に戻ってきてからもBBCを見るようにして日本の番組とニュースの内容、切り口を比較しますが、どちらかというとウクライナに関しては日本は圧倒的に報道量が少なく、また内容もあまり踏み込んでないのではないかと感じます。





さらにいえば、前々から日本の報道番組に感じておりましたが、殺人などの悲惨な事件をことさら強調し、本来、報道が伝えなければならないニュースの割合がかなり少ないのではないかと感じます。





ウクライナの危機が、世界に及ぼす影響がどうなるのか、私たちは今後も見守っていかねばなりません。





その中で私が感じるのは、ユーゴスラビアやコソボのようになるのではないかと感じます。ユーゴスラビアは内戦を経て、ボスニア、スロベニア、クロアチアへと分裂しました。そして、ユーゴスラビア内のセルビアでもアルバニア住民が多数を占めるコソボ自治州で分離独立を求める声が強くなり、最終的にはNATOがユーゴスラビアを空爆する事態にまで発展をしました。





その戦争直後に私もユーゴスラビア、コソボを訪問しました。その思いとしては、戦争を知らない世代として、戦争というのが一体どういうものだったのかというのを見たかったという事、そして、報道でしか伝わってこない事が果たして正しいのかどうかというのを自分の目で確かめたかったという思いがありました。





そして、川を隔ててセルビア系とアルバニア系で分断された町ミトロヴィッアを尋ねました。NATO軍で構成されるKFORという部隊が治安維持活動で駐留し、アルバニア系の住民は解放を喜び、セルビア系の住民は町を奪われた悔しさを抱いておりました。





確かに、民族間対立を根源とする殺戮などあったのかもしれません、しかし、NATO軍の介入が果たして正しかったのかも疑問に感じます。ユーゴスラビアの首都ベオグラードを訪ねると、アメリカの巡航ミサイルで正確にピンポイントで爆撃された建物がいたるところにありました。その正確さは見た方でないと分からないと思いますが、見事に目標の階数で爆発させております。





ユーゴスラビアを訪問した事が、後に私を政治家への道へと向かわさせました。





あの光景を思い出しながら、今回のウクライナ危機を見ております。どちらが正しいのかは分かりません。しかしながら、事実としてウクライナは分断の危機に直面しており、ロシアの力を背景にクリミアは分離独立をするでしょう。そして、世界は新たな「帝国」の時代に入るのではないかと思います



そのような危機を回避できるのか?





日本の果たせる役割は大いにあるのではないかと思います。アメリカを中心とする西側諸国とも同じ価値観を共有し良好な関係であり、またロシアとの関係も希にみる良好な関係である日本が仲介を含めてもっともっと前にでる事で、この危機にいくらかは貢献できるのではないでしょうか。




しかしながら、今の日本の対応は北方領土問題が頭をよぎるのか、仲介役も演じられず、また、西側諸国との共同歩調もとっていないという、どちらかというとロシアよりの対応とも受けとられる状況であります。



軍事力を背景に他国の領土を奪うという事を今の時代は許してはいけませんし、そのような姿に日本はもっとNOを突きつけるべきではないでしょうか。今回のロシアのクリミアへの行動は、我が国が抱える北方領土問題でも同じ事がいえる話であり、他の国の事という風に見ていてよい話ではありません。





このウクライナ危機がどのように今後展開していくかは分かりませんが、ここで日本が舵取りを間違えれば、アメリカとの関係を含めて取り返しのつかない事態になるのではないかと心配です。





仲介を演じられないのであれば、価値観を共有できる諸国と日本は共同歩調をとるべきだと考えます。