あの東日本大震災から3年が経ちました。



あの瞬間、私は参院第一委員会室におり、あそこで巨大な揺れを感じました。





当日は参院決算委員会が開催され、その模様がNHKのテレビ中継により全国に放映されておりました。私は、民主党(当時)の質問者として午前中に菅総理をはじめ閣僚に質問をさせていただき、午後は委員として出席している最中に地震にあいました。



今でも自分のトラウマになっているのは、その後の余震のたびに繰り返し流れた「緊急地震速報」です。あの音を聞くと、あの地震の大きな揺れを思い出します。未だに似たような音を聞くだけで、ビクッとします。





私ですらトラウマを抱えているわけですから、あの津波にあった方々や、東北で東京よりも大きな揺れを感じた方々、また原発事故から逃げた方々は、それぞれの心にもっと大きなものを抱えてる事は想像がつきます。





津波で流される映像や原発事故の映像を見る度に、未だに何ともいえない感情を抱きます。




地震発生後、私が当時所属した参院民主党も国会内に対策本部を立ち上げ、被災地から届く声を政府へと伝えました。あのような災害時には当然なのかもしれませんが、被災地も被災地でない遠方の地も含めて大きく混乱しておりました。そして、政府も経験した事のない災害が同時多発的にそして更に原発事故も起き、完全に普通の状態ではありませんでした。



震災後1週間は被災地選出議員以外の被災地入りは禁止されておりました。そして、その解除直後に食料・水、交通手段、燃料を地元で調達をしないという条件を満たせる議員のみ現地入りが認められ、被災地の声を確実に届けるため、そしてマスコミを通さない本当の現状を確認する為に、私は同僚の米長議員と二人、山形経由で宮城県に入りました。





今でもあの惨状は私の目から離れません。あの震災直後、まだ多くの混乱が残る中、多くの人から様々な声をいただきました。そして、今感じるのは、あの悲劇を我々は教訓としてしっかり受け入れているのだろうかという事です。





何度か、このブログでも述べておりますが、今のままでは同規模の震災があった場合は我々は同じ事を繰り返すのではないのかと感じます。あの震災は、大半の方々の想像を超えるものでした。しかし、今後起こりうる巨大地震は、あの東日本大震災の悲劇から多くの方は学べ、なんらかしらの備えはできるはずです。






私があの現場を直後に見て感じたのは、自然の驚異を我々は人工物で制御する事はほぼ不可能だという事です。今も国土強靭化の名の下に、万里の長城のような大型堤防などを造ろうとしておりますが、果たしてそれで自然が制御できるのでしょうか?


それよりも、いかに瞬時に避難ができるようにするのか、また津波の予想を正確に測れるシステムや、その情報を正しく伝達できるシステムを構築する事ができるかの方が先だと私は思います。





あの津波被害の大きさはいくつかの要因がありました。当初言われた津波の高さと、実際にきた津波の大きさに大きなギャップがあったこと。そして、その津波の予測を修正したが、情報網が停電でダウンして、正確に人々に情報が伝わらなかった事があげられます。



そこの改善なくして、人工構造物をつくれば防げるといったような意識を人々に植え付けると必ず同じ悲劇を我々は繰り返すのではないでしょうか。





また、多くの自治体はあの震災以降、津波からの避難訓練には熱心です。しかしながら、避難後の問題に対する取り組みをどれだけの自治体がシミュレーションを含めて行っているのでしょうか?


そういった避難後の備えを含めて、あの震災から多くの事を学び、万全の態勢を築きあげなければならないのではないでしょうか。



そして、同時に我々は原発事故とも向き合わなければなりません。あの事故後の混乱ぶりをみていると、今のままではもし同じ事故を繰り返せば同じような過ちを繰り返してしまいます。






多くの方が、あの事故は津波だけが原因だと今でも思ってるのかもしれません。ただ、様々な偶然がなければ、今の事故よりももっと深刻な事故になっていたと一体どれだけの日本人が気が付いているのでしょうか?


そして、現実問題として、あの原発事故の影響で未だ多くの方々が地元に帰れず、また未だに汚染水を含めて大量の放射性物質が海へと漏れ出している。安倍総理は「アンダーコントロール」という言葉を使い、原発事故はコントロールできているといわれますが、未だに海の放射性物質の数値が高い数値を示している現状では完全にコントロール出来てないとしか言えません。



そして、今、この国はあの原発事故の反省もないままに、原発再稼働へと舵をきろうとしております。はたして、この判断が正しいのでしょうか?我々は、それを行って同じ過ちを繰り返さないといえるのでしょうか。




あの東日本大震災の辛い過去は、我々に何を投げかけているのでしょうか?