世界各地で活発な噴火などの現象が起こっております。普通の活動の延長なのか、何かの前触れなのか分かりませんが、日本でも海底噴火によって新たな島が誕生したり、九州でも桜島や阿蘇山の噴火が活発になったり、何かの前触れのような気がしてなりません。


とにかく、大きな災害が起ころうとも、冷静な判断で適正な措置を一人一人がとっていく事が大変重要になってきます。


特に、私が住む宮崎県においては南海トラフ地震の対策をしっかりととらなければなりません。ただ、あの3・11東日本大震災の被災状況を直後にみた者としては、防災も大事ですが、人工物であの自然の脅威を防ぐ事は不可能ではないか、むしろ、人工物によって人間心理に与える根拠のない安心感の方が被害を拡大する事になるのではないかと不安を覚えます。



南海トラフ地震で津波が発生した場合、宮崎県の沿岸部は最短15分で津波で浸水するといわれております。東日本大震災でも多くの津波が防波堤を乗り越えて波が押し寄せてきたわけであります。確かに防波堤によって幾分かはスピードを弱めたところもあったでしょうが、防げれなかった事も事実であります



その様な意味においては、「物で防ぐ」というよりも、「いかに逃げるか」という意識を徹底させるかが重要であり、場合によっては道交法などを無視するという手段も取らなければならないのではないかと考えます。


ただ、各地で行われる避難訓練等を見ていると、あの教訓がいかされているのかと感じる事も多々であります。


今現在行われている避難訓練の多くは、明るいうちに発生して、対象者は自宅、学校もしくは職場で被災するという事が大前提になっているように感じます。


更にいえば、避難や救助の点に力点をおきすぎて、避難後の事は考慮されていないようにも感じます。命を守る為に避難や救助が一番大事なのはあたり前でありますが、あのような大規模災害の場合、被災後から続く避難生活や安否確認を取る方法が困難を極めます。



震災後1週間で私も現地に入りましたが、あの混乱状況はなんとも言い難いものでありました。



特に石巻最大の避難所になった蛇田中学校はお隣に大規模ショッピングセンターがあった事もあり、そちらを訪れていた方々がどっと押し寄せて、どこの誰が避難されているかも分からない状況でした。また、石巻市役所には安否情報を得る為に多くの人が訪れていたわけであります。


想定外の事態も起こるかもしれませんが、最新の科学により様々なシミュレーションは可能なわけでありますから、もし宮崎であのような災害が起こった際は物流基地を含めてどこに構えるかなど、事前の準備はしておくべきだと感じます。また、いざ事が起こった時に、どこに行けば、どういった情報が得れる可能性があるという事はアナンスしておくべきだとも考えます


特に、現地に入った時に言われたのは、比較的被害の小さかった地域でも上水道だけでなく、下水の処理場が被害にあった為に下水が処理できなくなったという問題もありました。特に避難生活は感染症のリスクを高めたりもするわけでありますから、我々の生活を支える全ての公共インフラが遮断された場合の十分な事前の対策も考えておくべきだと思います。


十分な備えを準備していても、それを上回るのが自然の力だと思いますが、一つでも二つでも準備や心構えをしておくのと、しておかないのでは全く違うのではないかと思います。

被災直後を見た者として防災の話をさせていただく機会に、多くの方に常々言っている事は、「必ずしも自宅や職場付近で被災するわけではありません。しかし、人間の生活はある程度は行動パターンが決まってます。よく行くお店や、よく通る道の付近の避難所だけでも頭にいれておくと、もし自宅や職場以外で被災された時に何らかの助けになるかもしれない。」という事をお話させていただいてます。