米軍普天間基地の辺野古への移設の是非が最大の争点となった沖縄の名護市長選挙は移設反対派の現職・稲嶺進氏が移設推進派の自民党推薦の末松文信氏を破って再選しました。

私は以前から述べてますが、一自治体の選挙結果が国の安全保障政策を左右するという事はあってはならないと考えます。

そのような観点から、政府や立法府である国会には国の安全保障政策を遂行する上で、しっかり対応できる法整備はしていただきたいと思います。

しかしながら、現法上では自治体の抵抗は可能なわけであり、政府は今回の名護で示された民意を重く受け止めるべきであります。

普天間基地を巡る問題は日米関係、東アジア情勢など様々な思惑や、それぞれの立場に立つ方々の利が交錯している複雑な問題であります。

ただ、昨年末に政府が「カネ」で沖縄を買うような辺野古への埋立承認を取付けるやり方や、選挙戦中も与党幹部から繰り返される「カネ」を巡る発言が名護市民の反発を招いたのかもしれません。

この、本土と沖縄の「支配」と「従属」といった関係は改めていかねばなりません。それををやらなければ、本土と沖縄の将来の関係に禍根を残すことになると私は思ってます。

ある国際関係の専門家は、沖縄で「分離独立」の初期の症状が出始めてると分析されておりました。沖縄の反発を招くような事を強行すれば、その動きに拍車をかける事になりかねませんし、そのような事はやるべきではありません。

沖縄は我が国が今後成長する上でも、大変重要な土地であります。特に地政学上、アジアへのハブとしてもっと伸びていくでしょうし、人口増加率などをみても無限の可能性を秘めております。よく、「沖縄は基地がなければ成り立たない」という見方をされている方もいますが、確かに現在はそのようなところもあるのかもしれませんが、潜在的には基地がなくても十分に発展する土地であります。

その沖縄への基地負担の軽減も我が国の重要な課題であるわけです。

日米安保上、全ての米軍基地を沖縄からなくす事は出来ませんが、本土がある一定の部分を受け入れるべきと、政府も国民もしっかりと考えなければならないのではないでしょうか。

名護で示された民意は、辺野古への基地移設は認めないというものであります。それを受けて、辺野古への移設は白紙に戻すべきであると考えます。