昨年12月の衆院選挙について、弁護士グループが憲法違反だとして選挙の無効を求めていた裁判で、選挙を違憲だとする判決がでました。

「一票の格差」に関する訴えは、これまで「違憲状態」と示されており、その「違憲状態」を解消しないまま、衆院が選挙を断行した事に対して、今の状態は「違憲」であると示されたわけであります。

国会は立法府である為に、その立法府が日本国憲法を無視した形で構成され、幾度かの指摘に対しても誠実な対応をとらなかった事になるわけです。

そのような意味では、重い重い判決が言い渡された事になりますし、このまま放置すれば「違憲」の立法府である国会に対して、政治に対して、国民の政治不信は益々、増長してしまう可能性もあるわけであります。

昨年の衆院選を決めた「党首討論」で、野田総理(当時)と安倍自民党総裁(当時)は、テレビの前で議員定数削減の約束されたわけでありますから、この定数削減と「一票の格差」是正を急いでやっていただきたいと思います。

ただ、このような判決がでたものの、果たして「一票の格差」だけに注視して、衆院改革、参院改革を行って良いとは私は思いません。この「一票の格差」を突き詰めていけば、人口の集中する都市部に議席が集中し、縦横に長く、都市と地方に格差の混在する日本の様々な問題に対応できるとは言い難くなるわけであります。

そのような意味では、「議員定数削減」、「一票の格差」、「選挙制度」、「立法府のあり方」を別々に議論するのではなく、一緒に議論しなければ、根本的な問題の解決にならないのではないかと考えます。

別々に議論し、各党の思惑が入り乱れているからこそ、この「違憲状態」が「違憲」になってしまったのではないかと思います。

私の所属した参議院も「一票の格差」に関して、選挙制度改革の議論をしてきましたが、それぞれの立場が異なり、なかなかうまく進みませんでした。

このような自分たちの問題となると、進まなくなる国会の議論のあり方なら、立法府のこれらの問題に関して、民間の有識者の議論していただき、その提言に基づき、立法府が従い法整備を進めるという形にした方が良いのかもしれません。

いずれにしよ、今のような「違憲」の国会が良いとはいえません。