参議院に身を置く立場ですが、今の日本の国政はあまりにも「参院のチカラ」が強く感じます。正常時は「チカラ」がなく、ねじれると「チカラ」が限りなく強くなる。




これでは、本来、動かさないといけないものでも、なかなか動かなくなる。このような状態に、国民も政治の不信感が強まり、色々な物を打ち破ってくれるかもしれない「維新の会」に期待するのかもしれない。



このような状態を打ち破る為に、「立法府(国会)のあり方」というのを我々はしっかりと考え、今の政治の失敗を、次なる世代へ持ち越さない為に、改善をしていかねばならないのではないでしょうか。


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過去、国会改革に関する提言は幾度となく行われてきておりますが、提言のほとんどは実効される事はありませんでした。


平成に入ってからの提言で受け入れられたものには、「押しボタン式投票の導入」、「政府委員の廃止」、「野党の対案との並行審査」など数えられるぐらいです。




よく、国会の改革というと、議員定数や議員歳費の方が話しの主となりますが、一票の格差是正などやらなければいけないのは当然でありますが、国会の仕組みというものを考えなければいけないのだと思います。




日本の政治を見て、「総理はリーダーシップがない。それは、国民が直接選んでないからだ。総理を大統領みたいに直接選べたら、総理はリーダーシップをはれる。首相公選に反対するのは、国会議員が自分で総理を選べる既得権益を守りたいからだ」というような単純な論調で、首相公選を唱える方やマスコミがいますが、私は仮に、首相公選制を導入しても、今の日本の立法府の仕組みでは、どんな方がなっても、なかなかリーダーシップははれないと思います。(パフォーマンス的に、リーダーシップをはってるようには見せる事は出来るかもしれませんが・・・。)




同じ議院内閣制のイギリスの総理は、なぜリーダーシップを発揮できるのでしょうか??


我々は、安易に何かに飛びつくのではなく、イギリスの良いところなども見習っていくべきだと思います。




そのような意味では、日本の衆・参という同じチカラを持つ二院制は改善していかねばなりません。以前にも書きましたが、私は衆参対等合併による一院論を採っておりますが、仮に二院制を維持にするにしろ、参院の役割や機能というのは大きく改善しなければならないと思います。また、以前も書きましたが、総理の委員会出席等も改善していかえねばなりません。




平成13年に「衆議院改革に関する調査会答申」というものが出されましたが、そこには、「予算委員会は予算審査に徹する」という提言もありました。


今、皆さんが見ている予算委員会が予算の審査とほど遠いと感じられている方も多数いらっしゃると思います。国会議員が本来の職責・役割を忘れているように感じます。我々、国会の本来の役目は「予算審査」、「立法」そして「国政調査」であります。




国会改革というのは、与野党一致して進めていかねばなりません。そのような意味では、小渕・自民党と小沢・自由党の自自連立の時が一番、国会改革というのが進んだのかもしれません。「政府委員制度の廃止」、「副大臣の設置」、「党首討論の導入」など、与党の自民党、自由党と野党の民主党で様々な国会改革を行いました。




ねじれ状態の国会で、与党も野党も問題点に気がついている今こそ、立法府のあり方、自分達の役目というものをしっかりと見つめて、改善すべきだと思います。




個人的には、イギリスのような「シャドウ・キャビネット(影の内閣)制度」の導入なども目指すべきだと考えます。