VLF」と聞いて、意味が分かる人というのは、この国にそんなにいないのではないでしょうか。Very Low Frequencyの略で「超長波」のことであります。潜水艦との通信にもちいられ、我が国でも利用されているのですが、このVLF送信所が国内には唯一、宮崎県えびの市にあります。

この送信所を巡っては、誘致する際に市を二分するほどの事態になったわけでありますが、国防上大変重要な施設でもあり、また国と市の間で覚書も取り交わされ、えびの市は受け入れたわけです。

しかし、覚書に関しては未だ履行されてない部分もあります。市側が覚書の履行を求め、中央官庁に行ってもたらいまわしにされ、国会議員に言っても何もしてもらえなかったわけです。


いつきブログ 外山イツキ(外山斎)公式ブログ|参議院議員|宮崎県選出

私が、このVLF送信所・覚書の問題を知ったのは野党時代でありました。

野党時代に地元・自治体が要望に来られ、その時にこの問題を認識し、その後、この問題に関して質問をし、質問する為の準備で色々調べてみたら、過去には反対の立場から当時の野党が質問しただけで、以後、国会で何ら議論される事もなく、ずっと国と国会議員の不作為で物事の進展がなかったわけです。

その後も、度々、防衛省の担当の方と協議しても、覚書をしっかりと履行しようという姿勢もありません。時間はかかるかもしれませんが、国防上大変重要な事なので、なんとか、この問題を解決していきたいと思います。


いつきブログ 外山イツキ(外山斎)公式ブログ|参議院議員|宮崎県選出

この問題に、私がなぜここまで深く関わっているのか、私なりに理由があります。それは、私が国会議員を志した理由の一つに、日本の防衛政策に関わりたいというのがありました。

何も「地元の要望」というのだけが理由ではありません。国防を考える上で、この施設は大変重要だから、もっと国にもこのVLF送信所の問題に真剣に向き合って欲しいと思ってるわけです。

我が国の防衛を考える上で、海上自衛隊の潜水艦隊は世界に誇れる優秀な能力があるわけであり、四方を海に囲まれる我が国が他国の侵略を受けないのも、彼らの能力があるからです。

28日に枝野官房長官が中国の空母保有について「保有の具体的な目的や今後の建造・配備計画を含めた各種の情報を開示し、軍事に対する透明性の向上を図ることが期待されている」と述べたわけですが、中国にそんな事を期待していても、そんな事してくれるわけありません。

確かに中国の空母保有はは脅威ではありますが、だからこそ、それに対して我々は何をすべきかを考えるべきです。


「空母が一番怖いのは何か?」

その答えは、潜水艦です。

空母は潜水艦が苦手で、常に撃沈されるのを恐れております。潜水艦が目を光らせてる間は、空母は怖くて沖にでていけなく、その能力を空母単独で発揮する事は不可能なわけです。

その苦手な潜水艦対策として、空母の能力を活かす為には、「空母機動艦隊」を持ち、海洋を敵がいないクリーンな状態にしなければいけないわけでありますが、世界に「空母機動艦隊」を持ったのは、アメリカ海軍と日本の旧帝国海軍しかないわけです。

じゃあ、今、中国が「空母機動艦隊」を持てるかというと、まだそこまでの能力には達していないというのが現状であります。

日本が誇る優秀な潜水艦の能力がある間は、中国の脅威も軽減するわけであります。

その潜水艦が潜行中に、国内で唯一送信できる施設が、えびの送信所の施設であり、だからこそ、防衛上、あの施設は他の施設より重要なわけであります。


このような施設を他のレーダーサイトと同列で扱ってる防衛省の考えに私は首をかしげたくなります。


その送信所を巡って、国と自治体の亀裂が生じ、大きくなれば、それは防衛上大変な問題を引き起こすわけでありますので、国会議員の一人としても、その点を強く訴え続けております。


平和に暮らすと、あたりまえにその平和な生活が享受できるものだと思っておりますが、私達の生活は色々な支えのもとに成り立っております。


このVLF送信所の問題を他人事だとは思わず、一人でも多くの方に理解していただきたいと思います。