0歳の頃は物言わぬ静かだった娘も、一歳半になる頃にはお稽古に向かう電車内で、この世の終りの如く、騒ぐ!喚く‼︎ 泣き叫ぶーっ‼︎‼︎
こんな状況で、もう今日は無理だ...とても稽古場まで辿りつけない.... なんて心折れそうになることも数知れず。
しかし、そんな恐怖のイヤイヤの嵐も過ぎ去ってゆき。。
時の経つ早さを感じずにはいられません。
そんな4月のあるお稽古場でのこと。
お稽古を終え、外に出てふと見上げると、白く美しいハナミズキの花々が輝くばかりに満開でした。
芽吹き、花咲き、実り、枯れ朽ちてゆく...そしてまた新たな命が生まれる季節がやってくる。
人生もまた四季の移ろいのようだ。
季節が巡るように、命もまた永遠に繋がれてゆくのだと、満開の花をみてしみじみと思ったのでした。
そして、私の'今'は四季に例えるなら、どの季節を生きているのだろうと。
今回の公演は、島の豊かな自然の四季の移ろいと、その島に抱かれ生きる人間の人生の歩みを重ねながら、舞踊で綴る舞台。
娘を産み育て、目まぐるしい成長を遂げる新しい命の瑞々しさを日々間近で感じ、また一方では、着実に迫り来る死の気配に怯えながらも死と向かい合っている老いゆく人々を見つめることがこの1、2年続いたので、身近に生と死をありありと感じているためか、今回の公演のテーマは身体に理屈抜きですっと入り込み、毎回稽古をするたびに考えさせられました。
人の一生とは?
生きることとは?
その意味とは?
なかなか哲学的で答えを一言で出すのは難しいテーマですが、今の私の中に出た答えは
'繋ぐこと'。
子孫を残すとか
偉大な功績を...とか
そういった端的なものだけではなく、もっと些細なものでも何かを次に'繋ぐ'ということが'生きる'意味なのではないかと、お稽古を積み重ねる中で思ったのでした。
私達メンバーにとっては、伝統を大切にしながらも革新を加える伊是名の会の踊りを踊り続けることもまた'繋ぐ'ことの一つ、なのかもしれません。
今回の公演を観て下さるお客様にも、四季のように輝き、そして季節が巡るようにあっという間に過ぎ去る、人間の一生が、いかに美しく尊いものかを訴えかけ、何かほんの少しでも皆様の心に問いかけができれば幸いです。
そのためにも本番に向けますますお稽古に励み、心を込めて踊りたいと思います。
最後に、、、
今回の公演に立つことができるのも師匠はじめスタッフの方々、メンバーの皆さん、家族など本当に沢山の方々の支えがあってこそです。
皆様の支えなくしては、お稽古を1回することすら絶対に不可能なことだと痛感しています。
魔の2歳児となった娘を私の代わりとなってお稽古の間中、面倒を見ていただき、車で送り迎えしていただき、荷物を運んでいただき....と数えだしたらキリがないほど助けていただき、もう、申し訳なさすぎて、頭を地面にめり込ませる土下座レベルです(゚o゚;;
そして、伊是名キッズのお姉ちゃん達の素晴らしすぎる保母さんぶり!
自分のお稽古もあるのにも関わらず、隙を見ながらずっと娘を世話してくれていて本当にいつも感激しています。
「全然思うように踊れないし、指導していただいたこともすぐ忘れるし、失敗するし、あ~~っT^T...」なんて思えるほどお稽古に没頭できていること自体が有難く贅沢なことで、彼女達のお陰です。
自分のお稽古に必死で娘のことも目に入らなくなることがある、至らないダメな母に代わって、素晴らしいお姉ちゃん達がいてくれて心から幸せです。
皆様、本当に本当に感謝しています。ありがとうございます!
古磯万季