話しは、去年の発表会前のお稽古である。
『かしかけ』を一緒に踊る比嘉さんと振り合わせる為に、
尾久の道乃先生の教室に行った時の事。
お稽古時に、
ふいにガンの闘病生活を送っている友人が思いだされました。
その友人に向けて踊りたい、
見て貰いたいと
ひしひしと感じたのを覚えています。
人は、時に誰かの為に、
何かをしたいと思う時がありますが、
私に出来る事は、踊りを見て貰ったり、自ら体験して貰う事です。
何年か前に、友の会の方たちとの交流会で、
「僕は貴方が好きだ」と言われびっくりしました。
ヨクヨク聞くと、
「貴方の踊りが好きだ」の間違いでしたが…。
踊りが上手といったのではありませんが、
とても嬉しかったのを憶えています。
人に見て頂いた時に、何らかのわくわく感や、
あんなに楽しいのなら「私も踊りたい」と思って貰う事が出来たら、
それ以上の幸せはありません。
伊是名の踊りは、個人の舞いも勿論ですが、
人数がいての隊形の美しさを得意としています。
舞台に上がる前は、緊張で潰れそうになります。
その緊張も舞台の照明と共に爆発して、
音の間のざわめきや、呼吸までもが、
楽しいリズムを刻んでくれているように感じます。
6月1日は、まだ錆び付いてはいられない頭と体に鞭打って、
貴方に届けますよ、伊是名の舞を

西田友子
