『期は熟した!』
昨年の11月の関西公演が終了して間もなく、セシオン杉並での公演が決定した。
通常1年をかけて構成・振付を練るものですが、今回準備期間は通常の半分。
まずは選曲から。今回披露する17演目中、9曲が新曲。
他8曲は過去の公演で使用した曲を選択したが、
新しい振付とフォーメーションでリニューアルした。
つまり、今回披露する全ての演目が白紙の状態からスタートだった。
公演に向けた1週間に一度のお稽古。
稽古日に間に合うように振付した紙を手にメンバーに振りを移すのだが
なかなか覚えられない。
メンバーから「この位置からここに移動するのは無理」 とか
「間奏の振りはどんな振り?」という質問が来るが、自分の頭の中も整理できて
いないので無視して全体のアウトラインを固める作業を優先。
並行して何曲も進めた為、1曲を完成させるのにかなり混迷を極めた。
1曲の振付が固まったら、次はフォーメーション。
今回新しく入ったメンバーもいて、新人たちに時間を取られてかなり苦戦。
こんな時期を繰り返しながら、4月の全体練習までに全体を仕上げる事を目標に取り組んだ。
4月に入りこの頃から本格的に土・日はお稽古。
新年度で勤務状況が変わるメンバーも出てきて人が揃わない。
追い打ちをかけるようにイベント出演があり、その練習に時間を取られて思うように進まない・・
5月公演が迫ってきた。
舞台制作班も加わり、舞台周りの環境が見えてくる。
ひとつひとつの演目の完成度がどうなのか気になっていたが、
本番の舞台と同じセシオン杉並で舞台に立つ機会に恵まれ観客の反応も上々。
手応えを感じた。
6月この舞台を成功させようと舞台スタッフ陣の動きが活発になってきた。
伊是名の会は熱意のある素晴らしいスタッフに恵まれているのは最大の強み。
さあ、準備万端。期は熟した。
この半年間の格闘を6月16日の本番に集結して披露するわけですが、
当日は会場の魔物に呑み込まれないよう地に足をつけてしっかり舞台を
務めたい。
奄美・沖縄の先人たちが脈々と継承してきた伝統的な踊りと合わせて、
その伝統に裏打ちされた舞踊に新しい息吹を吹き込んで、
今を生きる人に共感を与える舞台。
そういう気概で臨もうではないか。
最後になりますが、皆仕事や学校を抱えながらここまでよくついてきてくれて
ありがとうと感謝の気持ちを伝えたい。
原口 このみ