秋田県大館市にあります

ニプロハチ公ドームです。

 

ニプロハチ公ドーム 18

 

四月下旬に撮影しました。

 

ニプロハチ公ドーム 22

 

『伝説 鬼無里』の像。

 

ニプロハチ公ドーム 16

 

時は平安の昔。

都に紅葉さまという琴を教える、

美しい女性がいました。

紅葉さまは源経基公の腰元に召されますが、

「紅葉が呪いの祈祷をしている」

との噂が広がり、

信濃(長野県)の山中に追放されてしまいます。

 

ニプロハチ公ドーム 20

 

やがて紅葉さまは

水名瀬の里(今の鬼無里の村)にたどり着き、

内屋敷と呼ぶ館を造りました。

そこで村人に手習いを教え、

医薬を施し、

平安文化を伝えた慈悲の貴人として

村人から思慕されます。

 

ニプロハチ公ドーム 21

 

しかし京での栄華な暮らしを思うと、

信濃に流された自分の不甲斐なさや怒りで

紅葉さまの心は乱れ、

夜な夜な近隣の村を荒らし回る

鬼女と化してしまいました。

 

ニプロハチ公ドーム 17

 

やがて紅葉さまの悪事は都に伝わり、

信濃守平維茂さまに

鬼女討伐の命が下されます。

荒倉山を血に染めた激しい戦いの末、

紅葉さまは降魔の剣に倒れ絶命。

数奇な運命に翻弄された、

三十三歳の生涯を閉じました。

『鬼無里』村の由来は紅葉さま滅亡後、

平穏になった事から伝わっています。

伝説-鬼無里より。

 

ニプロハチ公ドーム 86

 

山の民(まつろわぬ)に案内されて

紅葉さまがたどり着いたのは、

戸隠山の裏に

ポッカリとたたずむ水名瀬の郷。

ここで紅葉さまは麻を育て、

タタミ糸を生産し京に送ります。

その経済力を基盤に

大いに繁栄していました。

 

ニプロハチ公ドーム 24

 

像の作者が作品製作のための取材の折に、

荒倉山の麓に紅葉さまと維茂さまのペアの御位牌を

祀る両社に出会います。

正史はいつでも権力側のもの。

理不尽にも歴史の深渕の底に

封じ込められた魂のうめきを、

現代に

“たぐり寄せることが出来ぬものか”

との想いで製作されました。

 

ニプロハチ公ドーム 82