青森県弘前市にあります
大森勝山遺跡です。
大森勝山遺跡から、
約3000年前とされる縄文時代晩期の
環状列石が発見されました。
縄文時代晩期の環状列石は少なく、
発掘により判明したのは
国内で唯一の事例とされています。
遺跡は防風林や自然林に囲まれていて、
縄文時代を彷彿させる景観を望む事が出来ました。
遺跡からは岩木山。
発掘の歴史。
昭和三十四~三十六年(1959~1961)、
岩木山麓の大規模開発に伴い
発掘調査が行われました。
調査の結果、
竪穴建物跡や環状列石、
集石遺構等の遺構が発見。
旧石器や
縄文時代前期から晩期の遺物が出土します。
竪穴式建物跡は
縄文時代晩期初め頃(約3000年前)の可能性が
高い事が解りましたが、
確定は出来ませんでした。
昭和六十年(1985)、
昭和期の発掘担当者・故村越潔氏により、
弘前市に対して
大森勝山遺跡の保存活用に関する
取り組みが提言されます。
市は提言を受け入れて、
翌年より
維持管理事業を開始しました。
平成十七年(2005)、
弘前市は文化庁より、
国史跡指定に向けた
取り組みへの打診を受けます。
平成十八~二十年(2006~2008)、
三ヵ年計画で
遺跡の調査が行われました。
今期の調査により、
環状列石の時期が縄文時代晩期初め頃
(約3000年前)である事が確定します。
さらに台部上部の環状列石周囲において、
広く整地が行われていた事。
環状列石内部及び南西部への
盛り土が行われるなど、
大規模な土木工事が
行われていた事が判明しました。
平成二十四年(2012)、
昭和期と平成期の二つの調査結果により、
国史跡に指定されます。
*環状列石や竪穴式建物等の遺構は、
保護の為に埋め直されました。
現在の風景はイメージで再現されたものです。
縄文の遺跡にて。
祈りを捧げる昆虫。