整体師の育成を15年続けていると
いろんな常識を持った人と出会えるんです。

今回卒業する男性もとても個性的。

「まもなく40歳の節目に自分の身体や親の身体の不調について知りたい。」

が入学の動機。

でも、
それを仕事に出来たら尚よし。
って感じ💦


スタートは理論武装で、恐らく今までも自己流に勉強していた事が
ちょいちょい出る。


質問をするにも、
ぐるぐると理論武装をするもんだから
本当に聞きたい事にたどり着くまで
相当大変。

本人も、聞く方も。


最初の4ヶ月は、

習う技術を頭の中で理論と結びつける事が優先だから、ロボットみたいに
ギクシャク動くし、ONとOFFの繰り返し。


なかなか人の気持ちに寄り添うっていう事が飲み込めない。

理屈では分かっても、
どう表現したらいいかが分からない。


何度も何度も何度も

「相手は機械じゃなくて感情を持つ人」
って事を言い続ける。


本人が言いたい事を途中で止めずに
最後まで聞く事と、

ぐるぐる続く話から、聞きたい事に的確な返事をする事を徹底して。



どうもそうやって待つ事で、心を開いてもらえた様です。


冗談も言うんだねって!って驚いたけど、

なんと言っても
人と話す時に笑顔が出るようになったのは嬉しい。


今までの人生は、
なかなか厳しかったのではないかと思う。


個性の強さはいろんな強さがあったけど

素のままで大丈夫。
信頼しても大丈夫。

っ思ってもらえたのか、
それからは劇的に柔らかくなりました。


施術も最初の4ヶ月とは明らかに違い
心が動いています。


まだまだ一回頭を動かしてからですが
相手の感情に寄り添いたいという
心が動く様になりました。


するとどうでしょう。
彼の手からは癒しの気が出るようになったのです。

以前とは全く違う
温かく(熱いほど)
柔らかく
優しい手になったのです。


言葉で癒せるには、もう少し時間が掛かりそうですが、大きな変化です。


この体験が彼の気持ちを後押しし、

自分の身体にあった興味が

目の前の人の為にはどうすれば良いのかに興味が変わり、

ダメ出しをされ続けた
立ち居振る舞いにも気が回るようになりました。


話しかけると緊張して、
高音の声で捲し立てる様に話した彼は、

今、
自分が発する言葉で人を癒したいと
頑張っています。



人はいくつになっても変わる事が出来る。

変わりたいと望み、
その変化を待ってくれる人がいれば。


私のスクールでは、

変化を望む生徒さんがいて、
それを待つ講師や先輩がいて、

みんな優しい整体師になっていきます。