作家・演出家の倉本聰さん(75)が塾長を務める富良野塾(北海道富良野市)出身の俳優らが4月から北海道教育大学旭川校で、教師に必要とされるコミュニケーション能力などを育成する講座を受け持つことになった。無気力、無反応で、他人に対する関心が薄いといわれる最近の大学生。倉本氏は「教師をめざす学生の他者理解力や想像力を養うのに演劇的手法が役立つはず」と話す。


 講座を受け持つのは、富良野塾OBでつくる演劇集団「富良野GROUP」の俳優ら。

 今年度は、富良野塾11期生の久保隆徳さん(43)と19期生の大山茂樹さん(32)の2人が担当。講座内容を倉本氏が監修し、4月と10月に各5日間、北海道旭川市のキャンパスで30人程度の学生を対象に1日4時間以上の集中講義・演習を行う予定だ。

 講座開設のきっかけとなったのは、倉本氏と道教大の本間謙二学長(64)との会話から。

 「最近の教師は、児童生徒の心に落ちる教え方をしていない」「コミュニケーション能力に欠けている」などの問題点が指摘され、人の心を開き、心の中に入っていく演劇的手法を教員養成に生かすアイデアが生まれたという。

 講座は、(1)コミュニケーション能力の育成(2)感情移入による他者理解(3)想像力の育成に力点を置き、「問題を抱えた新入社員と上司」「犯罪者と刑事」といった役割、設定を与えて即興劇を行うなど、実技中心の内容となる。

 倉本氏は「今は人間に興味を持っていない若者が増えている。知識があるだけで先生になっている者がいる。生徒に興味がなくても先生になっているのが一番の問題だ」と話す。

 道教大では、来年度以降、演劇講座を拡大し、釧路校や札幌校などでも開設することを検討している。

 道教大の本間学長は「今後は道教大の全キャンパスで演劇講座を必修科目にしてゆきたい。全国の教員養成系大学にも広がる画期的な試みだと思う」と話す。

 俳優や脚本家を養成する富良野塾は今年4月4日で26年間の活動を終え、閉塾するが、OBの「富良野GROUP」は富良野で活動を続ける。同GROUPでは、塾OBを各キャンパスに派遣し、演劇による教員育成の試みを全国に広めてゆきたいとしている。

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