料理とワインの相性(ペアリング)(ソムリエ/ワインエキスパート試験対策) | ワインの部屋 知識があればワインはもっと美味しい❤️

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出会ったワインを勉強も兼ねてちょっと深掘り。
毎日、ワイン開けるわけではないので、ないときはソムリエ/エキスパート試験対策や日本ワイン検定の話も織り込んでいきたいと思います。

ペアリングのパターン

双方の強弱、風味を合わせる

 強いワインには強いワインなど共通点を見出し組み合わせる

相反する個性の組み合わせ

 辛い味付けの料理に甘いワインなど

郷土料理にその土地のワイン

 最も確実で安定した組み合わせ

 

考慮すべき要素

・料理の格

 キュルノンスキーは料理を「家庭料理」「郷土料理」「高級料理」の3つに分類。その格にワインの格を合わせる

・季節感

 ワインで季節感を出す

 春:華やかでアロマティックなワイン、爽やかで重すぎない味わい

 夏:ボーンドライで溌剌とした酸味の白やスパークリング、ロゼもバカンス気分を盛り上げる

 秋:熟度が高く芳醇さ、豊かさのある味わい

 冬:熟成感があり、複雑で力強さのあるワイン

・テクニカル(化学的)

 食材の成分(脂質、アミノ酸、鉄分、有機酸など)を注視してワインを選ぶ

 食材の加熱、熟成によるメイラード反応や旨味成分の増加に着目し、同じプロセスを経たワインを選ぶ

・ストーリー

 産地の食習慣などを参考にワインを選ぶ

 

料理を解析する

1.主食材

①食材の大きさ:大きい食材には、より力強いワインを選ぶ

②脂質:脂の多いものには味わいに厚みのあるワインを選ぶ。酸味もポイントで、滑らかな酸味、厚みのある味わいを、その脂質の具合に合わせる。*ペアリングにおいて「脂を(酸味で)流す」という考え方はない!

③身質:食感と咀嚼時間を考慮したワインを選ぶ。肉も薄いスライスをサッと焼いたものと、大きな塊を炭火で焼いたものは違う

 

2.加熱法

・蒸す:食材の質感、風味が率直に出る優しい加熱法。ワインは率直で、繊細なタイプが良い

・ゆでる:効果は「蒸す」に近いが、脂分が抜けるのでワインもよりさらりとしたものが良い

・焼く

(ソテー)フライパンで焼く:軽い焼き色、焼き加減、短めの調理時間、バターやオリーブオイルなどの油脂の存在も重要、ワインはよく熟した果実味の滑らかなものが良い

(グリル)網で焼く:強い焼き色、時間をかけてじっくり焼くため「焦げ」が重要な風味として加わる。ワインは凝縮感があり、がっしりとした骨格のものが良い。

(チャコール・グリル)炭火焼きでは、木樽の香りに加えて、土っぽさや枯葉などの複雑性のあるワインが良い

(ロースト)オーブンで焼く:焼き色がしっかりと付き、中身はしっとりと仕上がる加熱法、ワインは風味の豊かさがありながらジューシーな味わいのものが良い

(ココット、キャセロール)鍋で蒸し焼きにする:焼き色がつけられる場合と付けられない場合あり、野菜などとともにワインやだし汁で蒸しながら加熱されることで風味豊かで、柔らかな食感に仕上がる、ワインはロースト同様だが、より柔らかさのあるものが合う

・煮る:蒸し焼き同様、野菜やワイン・だし汁とともに長時間加熱、ハーブやスパイス、日本料理であれば醤油、みりんなどが大抵加わる。食材だけでなくソース、もしくはスープも味わう料理になる。ワインは複雑みがあり、味わいはソフトで円熟したもの、つまり熟成感のある伝統的なスタイルのものが良い

・燻す:文字通りスモーキーな風味が特徴、ワインはスモーキーな風味、木樽を使ったものが良い

 

鶏肉の加熱ほうによるペアリングの例

加熱しない〜刺身やたたきなど:軽快なリースリング(ドイツ、カナダ、NZ、タスマニアなど)

ソテー:中庸のヴォリュームのシャルドネ。マコン(フランス)、オーストラリアやカリフォルニアなどの木樽の風味の抑えられたタイプ

グリル:ボディのしっかりしたリースリング(アルザスやクレア・ヴァレー(豪))、キアンティやアルゼンチン・マルベックなど

ロースト:ピノ・ノワール(ブルゴーニュやオレゴンなど複雑性のあるもの)

蒸し焼き:ピノ・ノワール(ロースト同様で、加えてヴォリューム感のあるもの)、グルナッシュ、シラー、カリニャン。ローヌやラングドックなど

煮込み:熟成したリオハ、ブルネッロ、バルバレスコなど

 

3.味付け

油脂

*フランスのワイン産地の例

ブルゴーニュ、ロワール下流:バター

ロワール上流:菜種油

シャンパーニュ:クルミオイル

南仏:オリーブオイル

シュッドウエスト:鴨脂

 

調味料

[スパイス]

スイート・スパイス:リコリス、ヴァニラ、シナモンなど ピノ・ノワール、ガメイ、カベルネ・フランなど

パンジェント・スパイス:辛味のある胡椒、山椒、生姜、チリペッパー、唐辛子など カベルネ・ソーヴィニヨン、シラー(テンプラニーリョ、ピノタージュ、ジンファンデルなども良い)

ベイキング・スパイス:クローヴ、ナツメグ、カルダモンなど パンジェント・スパイスのカテゴリーと重なる。品種個性に加えて樽(特に新樽)からの風味が際立ったカベルネ・ソーヴィニヨンやサンジョヴェーゼ、グルナッシュなど

エスニック・スパイス:クミン、ターメリック、カレースパイスなど:ゲヴュルツトラミネールやグリュナー・ヴェルトリーナー、アリアニコ、モンテプルチャーノまたはアンバーワイン

[ハーブ]

フレッシュ:パセリ、バジル、レモングラス、パクチーなど ソーヴィニヨン・ブラン、ヴェルデホ

セイヴォリー:セージ、オレガノ、マジョラム、バジルなど 南仏のグルナッシュやムールヴェドル、サンジョヴェーゼやネロ・ダヴォラ。サンソーやトゥルソーを使ったワイン

ドライ:ローズマリー、タイム、ローリエなど ワインは地中海系、グルナッシュ、カリニャンなど、イタリア カンパーニャのアリアニコ、ギリシャのアギオルギティコも良い

 

4.付け合わせ

 

*2023年の新項目ですが、今までの経緯からすると赤字の部分と、料理とワインが対になっている記述は問題になりやすいと思います。スパイス、ハーブはワインの香りにも通じるので、試験的にはどこまで重要かは分かりませんが、合格後は必須です。