今日はオーストリアです。
用語もドイツに似ているけどちょっと違う、ちょっと面倒な国です。
(あくまで個人的感想です)
ヴァッハウのブドウ畑
オーストリア
ブドウ栽培面積 44,537ha ワイン生産量253万hl
大陸性気候で降水量少なくドイツに比べて温暖
ワイン生産量の約8割が国内消費される
ブドウ栽培最古の痕跡は紀元前700年頃、ケルト人による
白ブドウ品種
1.グリューナー・ヴェルトリーナー 2.ヴェルシュリースリング 3.リースリング
黒ブドウ品種
1.ツヴァイゲルト 2.ブラウフレンキッシュ 3.メルロ
*ここは白、赤それぞれの順位だけです
ワイン法と品質分類
果汁の糖度単位(KMW)による品質分類の他、他国のような原産地呼称制度を取り入れておりD.A.C.という
①原産地呼称保護ワイン g.U
限定生産地域の40認可品種のみ
1.クヴァリテーツヴァイン
KMW糖度15度以上、補糖可、アルコール度数9度以上
2.カビネット
KMW糖度17度以上 補糖不可 残糖9g/ℓ以下(トロッケンに仕上がる)
3.プレディカーツヴァイン アルコール度数9度以上
・シュペートレーゼ
・アウスレーゼ
・ベーレンアウスレーゼ
・アイスヴァイン 樹上で氷結
・シュトローヴァイン/シルフヴァイン 藁、葦の上で3ヶ月以上乾燥
・トロッケンベーレンアウスレーゼ 樹上で自然乾燥した貴腐ブドウ
*リート
法的に規定された単一畑から生まれたワインは、畑名の前に"リート"と記載
(注1)用語はドイツと似通っているが果汁糖度の計測単位がKMWでドイツのエクスレ度と違う
(注2)ドイツではカビネットはプレディカーツヴァインに分類されるがオーストリアではプレディカーツヴァインにははいらない
(注3)オーストリアのカビネットのほうがドイツのカビネットより果汁糖度は高い
*この項目では(注3)について、またプレディカーツヴァインのKMW糖度順を覚えましょう
②地理的表示保護ワイン g.g.A
ラントワインと表示
40の認可品種のみ(品種ラベル表示可)、KMW14度以上、収量制限あり
③地理的表示のないワイン
オーストリア国内で収穫されたブドウを原料とする
ブドウ品種、収穫年はラントワインやクヴァリテーツヴァインと同じ最大収量制限により表示可
ゼクト・オーストリア
クヴァリテーツヴァインの生産に認可された品種のみ使用可
・ゼクト・オーストリア
単一の州内で収穫、すべてのスパークリングの製法可、最低9ヶ月瓶内で澱と共に熟成
・ゼクト・オーストリア・レゼルヴェ
単一の州内で収穫・搾汁、手摘み、製法は伝統的瓶内二次発酵のみ、最低18ヶ月瓶内だ澱と共に熟成
ゼクト・オーストリア・グローセ・レゼルヴェ
単一村内で収穫・搾汁、製法は伝統的瓶内二次発酵のみ、最低30ヶ月瓶内で澱と共に熟成、残糖12g/l以下(ブリュット~ブリュット・ナチュール)
*それぞれ他に規定あり
産地
生産地域は4つの州に限定的生産地域が18あります。
①ニーダーエステライヒ州(2023年教本ではニーダーエスタライヒでした・・・)
オーストリア最大の産地で最北部に位置する州。オーストリアの栽培面積の60%を占める。グリュ-ナー・ヴェルトリーナーの本拠地
1.ヴァッハウD.A.C.
ユネスコ世界遺産に認定された美しいブドウ畑の景観が、メルク市とクレムス市の間、ドナウ渓谷に沿って続く
西はアルプスからの冷たい風、東はパタゴニア気候の暖気
グリューナー・ヴェルトリーナーが64%
下記の独自の格付けを持つ
・スマラクト(日当たりのよいテラスの石積みで観察されるエメラルド色のとかげ)KMW18.2度以上 シュペートレーゼ級
・フェーダーシュピール(鷹狩りの道具)KMW17~18.2度 カビネット級
・シュタインフェーダー(きゃしゃな野草)KMW15~17度 クヴァリテーツヴァイン級
*ここはどのワードからも出題されます。原語では最初のアルファベットがS-F-Sの順です。スマラクトを覚えたらあとはわかります。
2.クレムスタールD.A.C.
3.カンプタールD.A.C.
4.トライゼンタールD.A.C. グリューナー・ヴェルトリーナーが62%
5.ヴァーグラムD.A.C.
6.ヴァインフィアテルD.A.C. 最北、最大の限定的生産地域。
7.カルヌントゥムD.A.C.
オーストリア最上レベルの高貴で精緻な、そして極めて凝縮した味わいのブラウフレンキッシュを産出する
8.テルメンレギオンD.A.C.
北部 固有品種のツィアファンドラーとロートギプフラーを混醸した微甘口のシュペート・ロートギプフラーは歴史的にハプスブルク王宮で飲まれていた
南部 フルーティで酸がやさしい赤ワイン
②ブルゲンラント州
オーストリアの赤ワイン(ブラウフレンキッシュやツヴァイゲルト)の半分を生産する
9.ノイジードラーゼーD.A.C.
湖畔に広がる産地、南東部では貴腐、東北部ではツヴァイゲルト、北部ではピノ・ノワール、ザンクトラウレント
10.ライタベルクD.A.C.
11.ルスター・アウスブルッフD.A.C.
ルスト市で生産される貴腐の甘口ワイン、ルスター・アウスブルッフに与えられるD.A.C.
最も重要な品種はヴェルシュ・リースリング
12.ロザリアD.A.C.
オーストリア最小の栽培面積のD.A.C.
13.ミッテルブルゲンラントD.A.C.
ブラウフレンキッシュの代表的産地としての地位を確立
14.アイゼンベルクD.A.C.
③ウィーン州
15.ウィーン(ヴィーナー・ゲミシュター・サッツD.A.C.) 3つ以上の認定品種の混植混醸
④シュタイヤーマルク州
南のスロヴェニア、南東のハンガリーと国境を接する
生産量の80%は白ワイン
16.ヴルカンラント・シュタイヤーマルクD.A.C.
17.ズュートシュタイヤーマルクD.A.C.
18.ヴェストシュタイヤーマルクD.A.C.
ブラウアー・ヴィルトバハー品種を早く収穫して強烈な酸を持つロゼワインに仕上げたシルヒャーで有名な産地
ワード
ホイリゲ:新酒を指すオーストリアの用語で、ワイン生産者兼居酒屋も意味する。
ベルクヴァイン:傾斜26%を越えるところに植えられたブドウから造られたワイン
*この項目に限りませんが生産量や栽培面積などは常識の範囲で四捨五入等処理しています。