ドイツ1(ソムリエ/ワインエキスパート試験対策) | ワインの部屋 知識があればワインはもっと美味しい❤️

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出会ったワインを勉強も兼ねてちょっと深掘り。
毎日、ワイン開けるわけではないので、ないときはソムリエ/エキスパート試験対策や日本ワイン検定の話も織り込んでいきたいと思います。

今日はドイツの総論です

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ラインガウ リューデスハイムのヴィンヤード

 

ドイツ(総論)

ブドウ栽培面積 10万ha(ボルドーの9割)ワイン生産量 894万hl

13の生産地域、13の生産地域の中に42のベライヒ(地区)がある

 

赤ワイン用ブドウ31.6% 

かつては甘口白ワインの生産国というイメージが強かったが、近年は辛口とオフドライが主体のワイン生産国として認識 

 

歴史

紀元前5~4世紀 ケルト族貴族が地中海のワインを輸入

:        ローマ軍の侵入

6~7世紀  宣教団がライン川を越えてキリスト教を布教するとともにブドウ栽培を広める

1136年  ラインガウにシトー派修道院がシュペートブルクンダーを持ち込む(説)

1720年  ラインガウのヨハニスベルク修道院でリースリングの苗木が大量に植樹された

1775年  貴腐ワインの醸造が毎年試みられるようになる

1867年  ラインガウでブドウ畑の格付け

1868年  モーゼルでブドウ畑の格付け

1892年  最初のワイン法が成立

1971年  新ドイツワイン法制定

2021年1月 新しいドイツワイン法施行(格付の基準が「収穫時の果汁糖度」からEUで共通の「地理的呼称」に変わった)

 

 

白ブドウ品種

1.リースリング 3.ミュラー・トゥルガウ 4.グラウ・ブルクンダー

黒ブドウ品種

2.シュペート・ブルクンダー 5.ドルフェンダー 9.ポルトギーザー

 

2000年代に入り有機農法に取り組む生産者が増えるとともにカビ菌耐性品種(PIWI)が注目されるようになった

代表的品種に赤のレゲントがある

 

ドイツワインの地理的構成

(地理的単位の大きい順に)

13の特定ワイン生産地域(べシュテムテス・アンバウゲビート)内に42の地区(べライヒ)

集合畑(グロースラーゲ)、単一畑(アインツェルラーゲ)

特定ワイン生産地域のほかに26のラントヴァイン生産地域がある

 

品質分類

A.地理的表示のないワイン

(1)EUワイン

・加工用ベースワイン

(2)地理的表示のないドイツワイン

・白・ロゼ・赤ワインをブレンドすることができる

B.地理的表示付きワイン

(1)地理的表示保護ワイン(g.g.A.)

ラントヴァイン生産地域で栽培・収穫されたブドウ85%以上使用

・一部地域を除きトロッケン(辛口)、ハルプトロッケン(中辛口)のみ

(2)原産地呼称保護ワイン(g.U.)

クヴァリテーツヴァイン

・13の特定ワイン生産地域のいずれかの1つで栽培・収穫されたブドウを100%使用

・収穫された生産地域内で醸造

・認可された品種

補糖(シャプタリゼーション)可

・ラベルにA.P.Nr.を表示

A.P.Nr.(数字は左から検査場番号、事業所所在地、事業所番号、ロット番号あるいは樽番号、検査年)

プレディカーツヴァイン

補糖不可

6つの肩書き

最低アルコール度数7%

  ↑カビネット              

  ↑シュペートレーゼ(遅摘)                                     

  ↑アウスレーゼ(房選り)        

  ↓ベーレンアウスレーゼ(粒選り)         

  ↓アイスヴァイン(樹上で氷結した完熟ブドウ)     

  ↓トロッケンベーレンアウスレーゼ(貴腐ブドウを粒選り) 

最低アルコール度数5.5%                                                              

 

残糖値とスタイル

 

トロッケン         辛口

ハルプトロッケン          ↑

リープリッヒ        ↓

ズュース         甘口

ファインヘルプ:法的基準ないがオフドライ。酸やミネラルのバランスにより甘味が抑制されて感じる場合に使われることが多い

 

*上記はp508に新たに表ができてわかりやすくなっています      

            

トロッケン??

トロッケンとは英語でドライのこと。残糖度の区分のトロッケンは”アサヒスーパードライ”のドライ。トロッケンベーレンアウスレーゼのトロッケンは”乾燥する”のほうの意味のドライ。干しブドウ状にしぼんだブドウを使うという意味です。甘いんだか辛いんだかわかりませんよねぇ・・。

 

スパークリングワインの分類

①ペールヴァイン(弱発泡性ワイン)

フランスのペティヤン、イタリアのフリザンテにあたる

②シャウムヴァイン、ゼクト(発泡性ワインの総称)

シャウムヴァイン 20℃で3.0bar以上、度数9.5%以上、白、赤、生産国、収穫年など異なるワインをブレンドしたベースワインを使用可

ゼクトもしくはクヴァリテーツヴァイン 20℃で3.5bar以上、度数10%以上、以下上に同じ

ドイッチャー・ゼクト ドイツ国内産のベースワイン(ラントヴァインの基準満たしたもの)から生産

ゼクトb.A.もしくはクヴァリテーツシャウムヴァインb.A. 特定生産地域で生産されたクヴァリテーツヴァインから生産

ペットナット 一次発酵の途中で瓶詰めして炭酸をワインに溶け込ませるメトード・アンセストラルと同様の製法で醸造するスパークリングワイン

 

ロゼワインの分類

②ヴァイスヘルプスト

単一畑から収穫された単一の赤ワイン用品種から醸造

クヴァリテーツヴァイン以上

ロートリング

赤、白ワイン用ブドウの混醸による

シラーヴァイン:ヴュルテンベルク産のロートリング

バーディッシュ・ロートゴルト:バーデン産ロートリング、グラウブルクンダー、シュペートブルクンダーから醸造

 

ブドウ畑の格付け

VDP.グローセ・ラーゲ

生産規定

グラン・クリュに相当する最上の区画

規定の品種を使用

収量制限50hl/ha以下

シュペートレーゼ以上

表記規定

VDP.グローセス・ゲヴェクスのロゴのレリーフがあるボトルに瓶詰め

醸造所名、ブドウ品種、認定畑名を記載(村名は記載しない

トロッケン表記は必須

 

VDP.エアステ・ラーゲ

生産規定

プルミエ・クリュに相当する優れたブドウ畑

産地を代表する品種(交配品種、国際品種も含む)

収量制限60hl/ha以下

表記規定

醸造所名、ブドウ品種、村名と畑名を記載

辛口はクヴァリテーツヴァイン・トロッケンと記載

 

VDP.オルツヴァイン

村名ワインに相当

 

VDP.グーツヴァイン

エントリーレベルのエステーとワイン

 

*ここはフランスでいうどのレベルかと2番目とか3番目とかを覚えましょう。

内容については割愛している部分があるます。教本をご一読ください。赤字は覚えましょう。

2021年に施行された新ドイツワイン法についてはまだ移行期間のため内容は出ないのではないでしょうか?教本をご一読ください。

 

ワード

エクスレ度:ドイツの果汁糖度の計測単位。これにより収穫時のエクスレ度に応じて客観的に肩書がつくことになる

ズュースレゼルヴェ:収穫後の果汁の一部を発酵させないまま保存したもの、甘味の調整に使われる