ワイン概論1(ソムリエ/ワインエキスパート試験対策) | ワインの部屋 知識があればワインはもっと美味しい❤️

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出会ったワインを勉強も兼ねてちょっと深掘り。
毎日、ワイン開けるわけではないので、ないときはソムリエ/エキスパート試験対策や日本ワイン検定の話も織り込んでいきたいと思います。

今日からブログを2024年度版にバージョンアップしていきます。

 

注意点

必ず教本とともに読んでください左差し

過去に出題された部分をポイントアウトして行きます。教本はポイントアウトしていない部分も含めて必ず一読ください。

勉強の仕方はそれぞれです。教本に線を引く、ノートに書き出していく。どれもいいですが、自分で書くということも記憶にとどめる良い方法と思います。

私は2月から勉強を始めました。もう3月下旬になりますが、是非ノートを作って下さい。

*2024教本の変更点は重要性にかかわらず青字で示すこととします。

 

これは私のノートです。A5判80ページのノート2冊(書き込みは1.5冊)になります。

 

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上のノートが1冊目。フランスの南西地区の部分ですが、まだ知識もなく、どこが重要なのかも分からず参考書などを手掛かりに、ここが重要なんだろうなと書いています。下は、どうしても覚えられないので新たに地図を書いて新たな知識を元に書きました。右下はAOCのみを地図の配置に従って書き抜いていっています。右のページでは、例えば"赤、ロゼ"だけ認められているAOCを書き出していますが、欄外に"白が認められていない"と書いています。これは出題のされ方で、同じことを言っているのですが、問題を解いていると混乱してしまうのです。一度、教本を通しで書き写して、過去問を解きながら重要箇所を書き足して完成させるのです。最初からびっちり書いたら書き足せなくなるのでご注意を!

 

 

 

 

*勉強に際してはできるだけ原語の意味をつかみながら覚えていくのが近道と思います。

長期の記憶にもつながりますし、のちに控える”エクセレンス”の試験では原語で解答(記述)も求められます。

 

ワインの特性

・アルコール発酵の化学式を覚えておきましょう。

 この化学式はフランスの化学者ジョセフ・ルイ・ゲイリュサックが提唱

 その後フランスの生化学者ルイ・パストゥールがアルコール発酵が

 酵母の活動であることを解明

 

1kgのブドウから搾汁される果汁、ワインの量は600~800ml

 

・ワイン中の主な有機酸でブドウに由来するもの酒石酸、リンゴ酸、クエン酸)、発酵によって生成するものコハク酸、乳酸、酢酸)は覚えましょう。リンゴ酸→乳酸はマロラクティック発酵(M.L.F)のところでもでてきます。

 

ワインの香りはアロマとブーケに、アロマはさらに第1アロマと第2アロマに分けられる。

第1アロマは原料由来の品種特有香である。なお第1アロマは次の2つに分けられる

①ブドウの時点で香りがあるもの

②ブドウの果実中では前駆体(プレカーサー)の状態で存在し発酵の際に香りのある物質になるもの

第2アロマは発酵過程で酵母や乳酸菌が生成する香り バナナ、乳製品の香りを持つダイアセチルなど

第3アロマ(ブーケ)樽由来の香り(ヴァニリンやオークラクトンなど)と熟成香がある

 

ワインのアルコール代謝(p6)

酒類ごとにアルコール分が異なるため1ドリンク」という単位が用いられることが多い。「1ドリンク=アルコール10gを含む量」

厚生労働省の示す指標では節度ある適度な飲酒は2ドリンクとされる

運動機能の障害がでてくる血中アルコール濃度はおおよそ150mg/dl以上から(P5表)

 

・ワインの分類

①スティルワイン②スパークリングワイン③フォーティファイドワイン④フレーヴァードワインという言葉と、あるお酒がどれに含まれるかを覚えましょう。といっても、勉強していたら頭に入っている項目です。スパークリングワインは発泡性ワインということですが、ガス圧により弱発泡性ワインと呼ばれるものがありフランスのペティヤン、ドイツのパールヴァイン、イタリアのフリザンテは覚えておきましょう。

 

スパークリングワイン、スパークリングワイン以外の残糖量表示

教本に表があります。各国の原語と残糖量について覚えましょう。BRUTという表示(残糖量12g/ℓ未満)がよく見られると思います。そこを中心に少ないほうと多いほうの両端を覚えると全体が覚えやすくなります。他の項目もですが、何かを基準において関連付けて覚えるのがコツです。

 

・ワインに関するEUの規則

品質分類は2008年に発効されたワイン共通市場制度に関する新たなEU理事会規則による

地理的表示付き(A.O.P.、I.G.P.)

地理的表示なし

ここでは、特にラベル義務記載事項と任意記載事項があり、紛らわしい選択枝としては”A.O.P.、I.G.P.のEUシンボルマーク”(任意記載事項)があります。収穫年、原料のブドウ品種も任意記載事項で別途要件があります。

 

・ブドウ品種

欧・中東系種

ヴィティス・ヴィニフェラ(シャルドネ、メルロなど)

北米系種

ヴィティス・ラブルスカ(フォクシーフレーバーを持つ、コンコードなど)

アジア系種

ヴィティス・アムレンシス(東アジア種群、マンシュウヤマブドウなど)

ヴィティス・コワニティ(日本に自生するヤマブドウ)

 

・ブドウの断面図より(p.11)

ブドウの果実のどこにどのような成分が多いか抑えましょう。ポイントはポリフェノール、タンニン、酸、糖です。

 

・ブドウの生育サイクルと作業

必要な気温条件(年間平均気温開花期、成熟期に必要な気温)、必要な年間日照時間、必要な年間降水量を覚えましょう。

教本には写真と共に生育サイクルとどの時期にどのような作業をするかが書かれています。原語で問われる場合もあります。

 

気温:年間平均気温10℃〜20℃

         開花期15℃〜25℃

         生育期20℃〜25℃

日照:1000時間〜1500時間

水分:年間降水量500mm〜900mm(成育期には十分な降雨が必要だが、開花期、結実後、収穫期の過度の降雨は好ましくない影響を与える)

土壌:痩せた砂利、礫質土壌が適していると言われる

*粒径

0.002mm以下 粘土

0.002〜0.02mm シルト

0.02〜2.0mm 砂

2.0mm以上 礫 

標高:気温と関連のある要素。標高が100m上がると気温は0.6°C下がる

その他の要素

・海に近い産地は最低気温と最高気温の差が小さくなる傾向、内陸性の場所では最低気温と最高気温の差が大きくなる傾向

・盆地の周辺地域の山麓地域では山頂から吹き下ろす冷たい風の影響で気温が下がったり、風の影響でブドウが病気になりにくい

 

・ブドウ品種の選抜及び交雑について

クローン・セレクションマサル・セレクションについて覚えましょう。

*マサル・セレクション

自分の畑で好ましい性質の株を残していく方法。評価の高い複数の株から苗を作ることから多様性が見込める。

 

・台木

フィロキセラという害虫被害以降、フィロキセラに耐性のある”台木”に接ぎ木する方法がとられるようになりました。3大台木原種(リパリア種、ルペストリス種、ベルランディエリ種)について少なくとも名称は覚えましょう。

シニアの試験では3大台木原種の交雑種の組み合わせについて問われました。

 

・ブドウの仕立て法

各仕立て法と、主に使われる地域について覚えましょう。教本には図がありますが、雑誌などで実際の写真を見ていると実感がわくでしょう。ワイン雑誌は写真が豊富で記憶の関連付けに大変役に立ちます。本屋さんに行った際は立ち読みでもしましょう。あ、いや、買ってください・・。(;^_^A

 

垣根仕立て(ボルドー、ブルゴーニュなど)

・ギヨー・サンプル 主幹から長梢を片側に伸ばす

・ギヨー・ドゥーブル 主幹から長梢を両側に伸ばす

・コルドン ギヨ剪定法で長梢から伸びた結果枝を、それぞれ2芽の短梢として残す

棒仕立て(モーゼル、北部ローヌなど)

急斜面に適する。主幹に添えた棒を中心に左右2本の長梢をハート型にしばりつける

株仕立て(コブレ)(南フランス、スペイン、ポルトガルなど)

乾燥地に多い。主幹上部に短梢を数本残す。

棚仕立て(ペルゴラ)(日本、イタリア、エジプトなど)

樹勢の強いブドウ樹向き、降雨が多い地域。

 

・ブドウの病虫害

各病虫害とその対策ヨーロッパにいつ頃伝播したかを覚えましょう。伝播するのは一般の感染症と同じく、人の移動が多くなった時期です。すなわち産業革命後各地で鉄道が発達し世界的にも人の移動が活発になった頃。トピックとしては1855年のパリ万国博覧会があります。その時期と符合します。ワインのみでなく、今までに得た知識を総動員しましょう。関連付けです!

 

生理障害

・花振い(花流れ)

若木や樹勢の強い結果枝に生じやすい。窒素過多、開花結実期の低温、ホウ酸欠乏などで受粉、結実が悪く極めて多くの落果が起こる

・カビ

ベト病 アメリカから輸入されたブドウ樹より感染、1878年に初めて被害が確認された。花や葉、果実に白いカビ状の胞子ご形成され落花、落葉、落果させる。ボルドー液による防除が有効

灰色カビ病 ボトリティス・シネレアが原因。花穂、葉、果房に灰色のカビを生じる。黒ブドウではアントシアニン色素を破壊するため赤ワインの着色不良を生じる。キャノピーマネージメントが重要。防除にはイプロジオン水和剤などが使用される。特殊な環境下に起こると極上甘口ワインの原料となる貴腐を生じる。

ウドンコ病 北アメリカ由来のカビで1850年頃ヨーロッパに伝播。生育中のブドウ果粒が白い胞子で覆われ表皮の成長が妨げられるが果肉は成長するため果粒が裂けミイラ化あるいは腐敗する。開花期に硫黄を含んだ農薬を散布、ベントレート剤による殺菌を行う。

晩腐病 収穫期のブドウ果実を侵し腐敗させる。初期には淡褐色の病斑が果皮表面に現れ、しだいに紫褐色となり、果実は腐敗、ミイラ化する。日本ではブドウ病害被害中最大。罹患結果母枝や巻きひげを園内から取り除く、休眠期にベントレート等を散布する。

ESCA(エスカ) 最も古くからあるブドウの病気。感染すると生育期間中に葉脈を残し、葉が枯れて落葉する。フランスを中心に徐々に被害が広がりつつある。

⑥Excoriose(エスコリオーズ) 前年のうちに雨風によりカビの胞子がブドウに付着、翌年萌芽して数週間のうちに増殖し枝がかさぶた状になる。

・バクテリアによるもの

①根頭癌腫病(Crown gall) リゾビウム・ラジオバクターによる。ブドウ組織に感染しこぶ状の塊をつくる。こぶにより栄養障害を起こし数年のうちに樹が枯れる

②ピアス病 キシレラ・ファスティディオーザによる。シャープシューターと呼ばれる虫がブドウの樹液を吸う際に感染させる。生育期間中に葉緑素を失い落葉が進み数年で樹が枯れる。カリフォルニア南部やアメリカ南東部でみられる。

・その他の病虫害

①ウイルス病 ブドウ・リーフロール、フレック、コーキーバークなど。成長点培養、ウイルスフリーのブドウ苗の育成

フィロキセラ 北米大陸原産の昆虫。アメリカから輸入されたブドウ苗木に付着していた幼虫が19世紀中ごろにヨーロッパに伝播。フィロキセラ耐性のある北米系種もしくはこれらの交雑種を台木として接木した苗を用いる

 

有機農業

日本での定義(有機農業の推進に関する法律の第二条)

「化学的に合成された肥料及び農薬を使用しないこと並びに遺伝子組替え技術を利用しないことを基本として、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した農業生産の方法を用いて行われる農業」

エコセール 1991年にトゥールーズに本拠地を置く国際的認証団体で最大のもの

有機ワイン

2012年3月8日付EU規則により有機ワインについての規定が制定され規定に合致したワインはEU共通のロゴと「vin biologique」のラベル表示が可能。

ビオディナミ

オーストリアのルドルフ・シュタイナーが提唱。月や惑星の動きと植物の成長を調和させることを重視した農事暦を用いた栽培スケジュール、農薬は使用せずプレパラシオンと呼ばれる調合剤を利用。

減農薬栽培(リュット・レゾネ)

農薬の必要性は認めたうえで、その使用を最小限にとどめる考え方。

 

ここまでの項目では他に

・日本の酒税法における酒類のアルコール分、世界のワイン生産量予測(地図)における順位などが問われる可能性があります。

 

 

生産量、栽培面積についてはフランスの各地区のものを多い法から縦に並べて、そのよこに国別に上から順に並べてフランスの各地域と各国の対比をみるようにしながら覚えると頭に入りやすいと思います。左差し

しかし、細かい数字覚えるのは試験前1か月くらいでいいと思います。過去問解いて間違っても問題ありません。最初は、物事を理解していくことが重要です。