栃木県
東京から近く、観光客による消費もあり日本酒生産量と消費量がほぼ釣り合っている
利根川水系、那珂川水系、久慈川水系と水が豊富
酒造技術向上を目的に養成講座を開いて認定する下野杜氏制度が発足(2006)
近江商人をルーツとする酒造が多い(近江から会津の通り道で、米の産地として栄え、余剰米も多いところに目をつけた)
「とちぎ酒14」 「ひとごこち」を母に「コシヒカリ」を父系に交配された品種。収量が多く酒米としては安価
「夢さらら」 大吟醸酒向けの酒米として「山田錦」を母に「T酒25」を父として交配、2018に出願公表
西部には奥羽山脈の南端で2000mと標高高い。東部の八溝山地は1000m以下の低山地
平野部は那須塩原を中心とする北部の台地高原と南部の鬼怒川流域の扇状的な低地
気候は典型的な東日本型だが北西部の山地は日本海岸気候の特徴も持つ
平野部の冬は寒暖差が大きく、空っ風と呼ばれる強風も吹く
2017年の日本酒生産量は8417klで全国9位
特定名称酒比率は28%と全国平均を下回る
酒造好適米の生産は関東で最多の1113t(山田錦、五百万石、とちぎ酒14)
酒米移入タイプ
長野県
室町時代末期からの日本酒造り
1946年に諏訪の酒蔵において蔵つき酵母が「きょうかい7号酵母」として分離、爽やかな吟醸香と品の良い味わいをもつ
1978年たかね錦にγ線を照射し生まれた突然変異種を選抜固定し「美山錦」を生み出した
「アルプス酵母」開発、デリシャスリンゴを思わせる香り
2003年より「長野県原産地呼称管理制度」
農地は松本盆地、佐久盆地、長野盆地、伊那盆地の四つの盆地に広がる
日本酒生産数量 7359kl(国内生産の2%)
特定名称酒比率 59%
酒造場数 86社(新潟、兵庫に次ぐ3位)
酒造好適米生産
6294t(国内生産量の6%)
「美山錦」4150t 「ひとごごち」1533t
「金紋錦」354t 「しらかば錦」110t
酒米を県外にも移出する「酒米自給移出タイプ」
水のよさを感じる透明感のある軽めの酒質。吟醸系の香り華やかなタイプと、落ち着いた香りのタイプもある
新潟県
端麗辛口1本に絞り人気となった
雪国のため、冬季の出稼ぎも多く、越後杜氏は徐々に全国に勢力を拡大
1950年代半ばに「五百万石」を開発
原産地呼称制度も始まる
下越地方 新潟市を中心都市とする北部の地方
中越地方 長岡市や越後湯沢市を含み、最も雪の多い地方
上越地方 上越市を中心とする南部の地方
佐渡ヶ島
県東端は中央に越後山脈が、北部には朝日山地、南部は飛騨山脈がありこれらの山地から流れ出る信濃川や阿賀野川のなす扇状地が日本海側最大の越後平野
日本酒生産量 33757kl(3位)国内生産量の約8%
特定名称酒比率 69%
酒造場 99社(1位) 魚沼エリアを含む中越地方に4割近く存在
酒造好適米 国内生産量の12%を占める(2位)
「五百万石」9209t 全国シェア49%
作っている酒米は、ほぼ県内で消費し、移出も少ない酒米自給自足タイプ
富山県
三方を山に囲まれ雪解け水も良質で豊富、降水量も全国平均の1.4倍と多く、良質な米が採れる
ブランド酒米の南砺産「五百万石」など全国的に評価も高い
奈良時代からの酒造り
昭和後期に富山県農業試験センターで「雄山錦」の開発始まる(「ひだほまれ」と「秋田酒33号」)の交配)
東を立山連峰、南を飛騨山脈、西は白山に連なる山に囲まれた富山平野が広がる
日本海側気候でシベリア高気圧による冬型の季節風により冬季の降雪量が多い。日本海を北上する対馬海流の影響で気温は比較的温暖
熊本と並ぶ名水の地
日本酒生産量は4064klで全国19位だが特定名称酒比率は約86%(全国7位)と高い
酒造好適米の生産は4496tで全国6位
南砺ブランドとして評価の高い「五百万石」が3267tと7割を占める
「山田錦」「雄山錦」「富の香」と続く
酒造場は24場で米作りに偏る移出超過タイプ
海側の酒造では鮮度の良い魚に合うクリアな味の淡麗な辛口が多い。山側の酒造ではボディの太い味もある
石川県
石川県の酒は万葉集に初めて登場
室町時代後期に「加賀の菊酒」という幻の銘酒が造られ京に運ばれたという文献
能登半島 県北部
加賀地方 県南部、南東部に両白山地がそびえ麓から加賀平野が広がる
日本酒生産 5731kl
特定名称酒比率 82%(9位)
酒造場数 42場(半数は能登半島にある)
酒造好適米生産 1455t(国内生産量の1%)
能登杜氏は明治後半から酒造講習会や自醸酒鑑評会を毎年開催し技術向上に努め、三大杜氏に続く流派として認知される
「五百万石」1165t 「石川門」172t
「酒米移入依存タイプ」
「金沢酵母」の酒はきれいな酸と雑味の少ない酒質で口当たりよく吟醸酒に向く
山廃造りに力をいれる酒蔵も多く、山廃酛と吟醸造りを組み合わせ、口当たりが滑らかだが後味にはしっかりボディを感じられる山廃吟醸のスタイルをいち早く確立
静岡県
静岡県の酒の大きな特徴は酢酸イソアミル系の香りと低い酸、きれいで滑らかな吟醸酒
県開発酵母の先駆けとなった静岡酵母と軟水による吟醸仕込みが特徴
温暖な太平洋岸に位置し山地も海に迫り、まとまった水田もなく酒造りにむくとの認識がなかった。
地場の食材に寄り添う地酒づくりが中心だった
静岡の酒造りを支えていたのは志太杜氏
昭和に入ると蔵元が県外から有力杜氏集団を招くようになり技術向上
1980年代に酒造と県の工業技術センターが協力し静岡酵母を開発、1986年には全国新酒鑑評会で入賞率全国一となる
「誉富士」の開発 「山田錦」に放射線照射して生まれた突然変異種、ほとんどの酒造で「誉富士」による酒造りを行う
富士川と大井川を境に東部、中部、西部に分かれる
平野部は温暖で日照も多く本州で一二を争うほど米の収穫が早い
山間部は朝夕の寒暖差があり米栽培適地で高品質な米を栽培している
日本酒生産量は3777klで全国21位(国内生産量の約1%)
特定名称酒比率は約88%と高い
酒造好適米の生産は845tで「山田錦」が590tと7割を占め「誉富士」が234tで2品種でほぼ全量となる
酒造場数
自給自足タイプ
酒質は涼やかな味。滑らかなテクスチャーを持ち、軽快な酸味と上品な甘味
愛知県
信長時代からの酒造りの伝統ある尾張地区
城下町の名古屋
徳川発祥の地で農工業などの産業盛んな三河地区
別名醸造半島とも呼ばれ、味噌や酢、醤油、清酒などを醸造する蔵のひしめく知多地区
古事記、日本書紀には熱田で造られた酒が東征するヤマトタケルに捧げられたとの記載
織田信長の時代に酒造が盛んになった
江戸時代には尾張藩二代目藩主光友が酒造を奨励、急速に酒造が発展
やがて主たる酒造地は知多半島に移る
(冬季に琵琶湖を渡ったシベリア寒気が鈴鹿山脈の切れ目を抜け、伊勢湾を渡って吹き付けるため温暖な東海地方において珍しく酒造適地)
アルコール度数の高い愛知の酒は「鬼ころし」の愛称で親しまれる
知多半島は鉄道開発の遅れにより打撃を受け酒造数激減
大蔵省醸造試験所の江田鎌次郎が速醸酛を開発するもかつての隆盛は取り戻せず
酒米開発の歴史長く「菊水」「露葉風」「玉栄」などを育成
「若水」は「五百万石」の倒伏性を強化、やや大粒で心白発現率が高く栽培特性が良好。心白が大きく高精米に向かず純米酒や本醸造向き
「夢山水」は「山田錦」を母に開発。山間地向きで愛知県内の標高500m以上の圃場で栽培される
「夢吟香」は「若水」に代わり精米歩合を上げ、吟醸酒向けの酒米として「山田錦」を母、「若水」を祖父に交配
東部に三河山地、北部は岐阜から知多半島に張り出す尾張丘陵、西部には木曽三川下流に発達した濃尾平野を代表とする低地
太平洋岸気候で夏季温暖多雨、冬季乾燥少雨。黒潮の影響で一年を通して暖かい。西部の尾張エリアは比較的日本海に近く冬季に降雪も多い
日本酒生産量 12328kl(全国6位、国内生産の約3%)
特定名称酒比率 25%と全国平均を大きく下回る
酒造好適米の生産は431t(全国31位)
「若水」155t、「夢山水」141t、「夢吟香」125tと3品種で3等分されている
酒造場数 52場
酒米移入タイプ