「生きている死者からの手紙」(1914年の出版、ノンフィクション、著作権フリー)
エルザ・バーカーによる記録
金澤竹哲・訳
手紙24 禁じられた知識(前半) (乃木希典将軍の殉死を目撃)
このところ、私は多忙だった。私が先日、どこへ行ったか想像できないだろうね――日本の天皇の大喪儀を見に行ったのだ。そんなに短い間にパリから日本に行き、また戻ってくるなんて、君にはできないだろうね? だが、私にはできた。
(訳者注、明治天皇の崩御は1912年7月30日。大喪儀が執り行われたのは同年9月13日)
出かける1時間前には、日本の天皇が崩御したことすら知らなかった。師が私を探して、一緒に行こうと誘ってくれたのだ。彼は、日本で起こる何かを見るべきだと言った。
彼の予言は正しかった。私は、魂が、偉大な霊が自殺によって旅立つのを見た。悲しく、恐ろしいことだった。
だが、私が書いているうちに師が横に来た。そしてこの問題については、これ以上書かないようにと助言した。
(訳者注、乃木希典という偉大な人物が自刃したのは同日の夜8時でした)
ここでは恐ろしいことを、美しいことと同様に眺める。私が自殺について言えることは、もしも彼が、自らの手で死んだ者を何が待ち受けているかを知っていれば、どんな不幸な状態であろうとも思いとどまるだろうということだ。申し訳ないが、これ以上話すことはできない。君が関心を持つからだ。理論を何度繰り返したとしても、目撃証言には及ばない。
師が現れて助言してくれたので、書く意欲がなくなった。後でもう一度挑戦したい。