趣味の養蜂(飼育から蜂蜜販売まで) 6.飼育用器具
6.飼育用器具
① 巣箱
巣箱は、10枚用標準タイプを最低3個は保有したい。1個目は、最初の導入時に使用する物。4月に種蜂を購入した場合、5月には分割して2群にすることが可能である。その分割群を入れる箱が2個目、更に、予期せぬ分蜂の為にもう一つを予備として保有しておくことが必要である。なお、巣箱の設置は、安定した地面にブロック等を置き、その上に設置する。大雨で水没しないような高さにする。また、巣門の反対側は板切れなどを挟んで前方より高くし、大雨の際、吹込み雨水が中に浸入しないようにする。
巣箱は、突風で倒れても蓋が開かないように紐で縛っておく。たとえ倒れても起こせば済むが、万が一蓋が開いた場合は厄介なことになる。
また、巣箱の上には、波板等を載せ、雨除けをする。巣箱の蓋に亀裂などがある場合、雨が浸み込んで中の巣枠が濡れる。波板の上には、風で飛ばされないようにブロックを2つ置く。トタン板を使用する場合は、夏の暑熱対策としてトタン板の下に発砲スチロールの板を置く。
養蜂を生業としている人は、巣箱の上に何も載せてない。手間暇を省くためである。趣味の養蜂家としては、蜜蜂にとって少しでも快適な環境を整えてやりたいと思うし、巣箱も長持ちさせたい。
巣箱は、出来合いを購入することも出来るが、組み立てキットを購入し自分で組み立てるのは楽しい。価格も一個当たり1500円は安い。注意点としては、色々な業者から購入する場合、標準タイプとは言え、微妙にサイズが違い、蓋を共有出来ないことがある。
① 継箱と隔王板
継箱は、巣箱の上に乗せて、2階、3階と積み上げていく物である。
最初の1群が順調に生育すれば、導入から1ヶ月もすると、巣箱は蜂であふれる。蜜を採る場合、継箱を載せて2段にするが、2階部分の継箱内巣枠には産卵させないように、隔王盤を巣箱と継箱の間に挟む。隔王板は、女王蜂は通過できないが、働き蜂は通過できるスリットになっている。隔王板を有効に使用することで、蜂児がいない巣枠から蜜を採取できる。巣枠に蜂児と蜜が混在している場合、これを遠心分離器にかけると、蜂児も分離器内に放り出される。命を粗末にすることになるし、蜂児の体液等が蜂蜜に混入することも懸念される。
② 巣枠
巣枠は、ホフマン式とラ式の2種類がある。巣枠と巣枠の間隔が理にかなっているのは、ホフマン式であり、安価でもある。
また、巣枠の材料、巣礎を購入して自分で組み立てるのは、楽しいが、数群の飼育数であれば、完成巣枠を購入した方が結果的に安価で都合が良い。
そして、蜜蜂に巣を半分程度盛らせた物、半完成巣ヒ枠という物もあるが、4月・5月であればペラペラの巣礎でも、1~2週間もあれば販売品と同程度の巣は盛る。よほど急ぐ事でもなければ、安価な物を採用し、じっくり完成させてその経過を観察した方が良い。
巣枠と巣枠との間隔は極めて重要である。間隔の広い狭いにより、蜜蜂の行動は異なる。9mmは育児圏の間隔であり、12~15mmは貯蜜圏である。6.4mmより狭い場合、プロポリスで埋め、9.5mmより広い場合は、巣を作る。この巣は、養蜂家にとって望まない物なのでムダ巣と呼ばれる。6.4mm~9.5mmは通路として使い、空けたままの状態になる。
③ 燻煙器と燃やす材料
燻煙器は、フイゴの部分の耐久性が重要である。火の粉が入り込むことがあるので、劣悪品は穴があき空気を送れなくなる。金属部分については、安価でもある程度の耐久性はある。長く使用していると蓋と胴体がタールによって付着し、蓋の開閉が困難になる。定期的にバーナーでタールを燃やして除去する必要がある。バーナーは、寿司職人が、あぶりサーモンなどを調理する際に使用するハンディーな物が便利である。これは、巣箱の清掃・消毒等でも使用できるので1台は常備したい。
燻煙用材料は、最初の火種に最適な新聞紙と麻布、松ボックリ、コーヒーカスなどである。有害物質の発生しない燃える物なら何でも良いが、ペーパーフィルターでコーヒーを淹れた際に出るコーヒーカス(ペーパーごと乾燥)が火持ちがする。
燻煙器の使用では、煙を吹きかけるもので、決して火炎放射をしてはいけない。日中は、炎は見えないが、夜間は見える。どのような状態で炎が出るのか、夜間に確認しておくことを勧める。
④ ハイブツール
ハイブとは巣のことで、巣箱を開けて内検する時に使用するツールをハイブツールという。巣枠は、蜜蜂によりプロポリスや蜜ろうで固定されるので、巣枠を引き抜く時にはハイブツールが役に立つ。また、ムダ巣やプロポリスを取り除く時にも使用するもので必需品である。
⑤ 蜜欠き用ホーク
蜜蜂は巣枠に蜜を貯めてロウで蓋をする。この蓋は冬になると堅くなり蜜蜂も溶かして中の蜜を食べられなくなる。そこで蜜蓋を掻き取ってやる。専用の蜜蓋掻き器もあるが、大きめの食事用ホークが便利である。また、蜜蜂は、産卵スペースの上部隅に蜜を貯める性質がある。この部分の蜜蓋を掻いてやると、働き蜂はその後掃除し、女王はこの部分に産卵する。結果として巣枠一面の額面蜂児が出来る。
① 分割版
分割版は、巣箱の中を育児・生活圏とその他との部分に分ける際に使用する。また、ムダ巣を作らせないために、空間を調整する際にも使用する。巣箱一つに、一枚は用意したい。
② 脱蜂板
蜜枠を巣箱から蜂を騒がせないで取り上げる方法として、脱蜂板を使用すると良い。板に逆止弁のような器具が取り付けてあり、継箱にいる蜂は巣箱に下りて継箱には戻れない。100%ではないが、3日も経つと払い落とすのに気にならない程度になる。特に住宅街における養蜂では、効力を発揮する。ただし、脱蜂板を取り付けるのも、早朝に行わないと、薄い糖度の蜜を採取することになる。
③ 麻布
巣箱の上部、蓋との間に麻布を載せる。これを載せることでムダ巣を作らなくなる。ホームセンターなどで中古の麻袋を購入し、水洗い・乾燥後、巣箱の大きさにカットして使用する。端切れは、燻煙用の材料として使用する。