趣味の養蜂(飼育から蜂蜜販売まで) 5.内検 | 町ナカふれあい農園

趣味の養蜂(飼育から蜂蜜販売まで) 5.内検

5.内検

巣箱の中を調べることを内検というが、内検の前に、まずは外検である。巣門付近が綺麗で、蜂や幼虫の死骸が少なく、蜂の出入りが活発であれば健康的な状態である。働蜂の生命は、人間の皮膚のようなもので、毎日新陳代謝が行われる。そのため中で死んだ蜂は外に排出され、時には幼虫も出される。蜜を盛んに集めている時は、花蜜を濃縮する為に水蒸気が巣門から排出される。そのため巣門前は濡れている。このように、外検である程度のことが判断できる。

 3月から11月は、1週間に1回程度の頻度で、原則、巣枠を抜き出して主に次の5点の状況を確認する。セイタカアワダチソウの花が終わり、霜が降りるころになると、冬眠はしないが冬ごもりの態勢になる。この時期は、暖かい日を選んで、2週間に一度程度は、蓋を取って上部の状態と、貯蜜量の確認を行う。巣枠を引き抜くことは巣箱内の温度が下がるので通常は行わない。貯蜜量は巣箱の重さで判断できるが、分からない場合は、蜜枠を引き抜いて確認する。不足している場合は、砂糖水を与える。

 なお、分蜂最盛期である45月は、4日に一度の内検を行い、分蜂対策を講じる必要がある。

女王の状態

大きくてゆったりと動いている女王を確認できた時は、安心する。蜂の数が増えると、女王の確認は難しく、時間を浪費する。そのため、女王の確認が容易に出来るようにペイントで背中に印をつける。ペイントは文具店で販売されている水性ペイント(参考:POSCA丸芯・中字・水性)を使用する。なお、同時に分蜂を防止するために羽を1/3ほどカットする。(片方の羽だけを切る方法もある)羽を切ることで、産卵等の面での悪影響は見られない。印付けと羽切りを同時に行うことが可能な、シャッター式の女王隔離器具を使用するのが便利である。また、羽切は、100円ショップで販売している化粧用のハサミが便利である。刃に角度が付いているので女王を傷つけずに羽を切れる。ただし、印付けと羽切は、ペイントの出すぎで女王がショック死したことや、隔離器具での圧着死があるので、扱いは極々慎重に行いたい。

  産卵・育児の状況

蜜蜂は、卵が孵化すると幼虫・蛹・成虫と変化していき、幼虫の段階で、小部屋に封印される。封印前を無蓋蜂児、封印後を有蓋蜂児という。これらのものが、数多く密集して規則正しく美しく存在すれば問題はない。産卵は巣枠の中心部から始まり周囲へ広げていく。そして、中心部から誕生し、空になった巣房は働蜂が清掃し、次の産卵が行われる。

女王の存在を確認できなくても、卵や無蓋蜂児があれば、女王は隠れて発見できないか、直近まで存在していたと判断できる。

蜂児がバラバラの存在で悪臭を発しているようであれば、伝染病を疑わなければならない。また、花蜜が豊富な時期に蜂児が全くない場合は、女王の産卵能力に問題があるかもしれない。

  王台の存在

働き蜂は、女王に問題がある場合、次の女王を準備するために王台を作成する。

また、貯蜜量が多くなり、産卵スペースが不足している場合、王台を作って、分蜂の準備を行う。

王台一つは、女王一匹と同レベルと認識すべきである。巣箱の中には、女王は一匹しか存在できない。したがって、内検で女王を確認できれば、王台は全て除去しなければならない。

女王を確認できなければ、立派な王台を一つ残し、新女王の誕生を待つ。ただし、女王が隠れていて発見できない場合は、王台を残すことで分蜂の危険がある。

無蓋蜂児がある場合は、女王がどこかに居るか、いない場合でもごく最近のことで、産卵から35日の卵が存在している可能性が高い。この場合、王台を全て除去しても問題はない。本当に女王不在の場合は、次の内検までに再び王台が作成される。

群を増やす場合は、王台付きの巣枠は、他の巣枠2枚程度と一緒に別の箱に移す。2週間もしない内に新女王が誕生する。この場合、働き蜂の数が不足すると考えられるので、砂糖水を与える。

ただ、女王付きの巣枠を別の巣箱に移し、王台付きの巣枠を元の巣箱に残す方法もある。どちらでも構わないが、元の巣箱の位置を変えない限り、元の巣箱に外勤蜂が帰ってくるので、元の巣箱は群の勢いは維持される。そして、女王の居ない巣箱は、1ヶ月程は産卵が行われないので、その分、増勢には時間を要す。

  蜜や花粉の量

花蜜が豊富な時期か否か、外勤蜂がたくさんいるか、越冬前かなど、状況に応じて食料としての蜜や花粉の量は適切か否かを判断する。不足していると判断される場合、給餌する。砂糖水や代用花粉をいつ、どのくらい与えるべきか悩むところではあるが、次のような判断で行う。

なお、代用花粉は、砂糖水を与える時に一緒に与えると良い。代用花粉は、ビーハッチャーのように封を切ってそのまま使える物や、ビーブリードのように自分で加工する物がある。自分で加工する方が安価であり、残ったものは冷凍保存できる。

イ.越冬前、巣門の反対側の底を持ち上げて、巣箱が軽いと判断される場合、貯蜜量が不足しているので給餌を行う。この場合、砂糖2熱湯1の濃い目の給餌を行う。

ロ.人工分蜂のために群を分割した場合など、外勤蜂の数が不足していると考えられる巣箱の方に給餌を行う。

ハ.2月初めに砂糖1熱湯1の花蜜と同程度の濃度の砂糖水で給餌を行い、4月採蜜の準備を行う。

ニ.長雨で蜜切れが予想される場合、雨が止むのを待って給餌を行う。