2021年5月24日現在、各地で緊急事態宣言が発令されている中で今夏のオリンピックの開催の是非を巡っていまだ広く議論が繰り広げられています。

 

私は今夏のオリンピック開催は中止すべきで、延期できるなら延期すべき、延期も無理なら断念すべきと考えます。

 

また現実的には難しいかもしれませんが、中止し延期もできない場合は東京は近い将来に再度開催都市として立候補してほしいと思っています。

 

私が今夏のオリンピックを中止すべきと考える理由は、オリンピック開催に不可欠な社会的条件が現時点で満たされていないからです。


それは開催地の国民の支持です。 

多額の税金が投入される国家的事業である以上、国民の圧倒的な支持なくして開催すべきではありません。

各種世論調査によると今夏の開催に消極的な意見は6割~8割となっており、開催の条件を満たさなくなったと考えます。

政府やIOCは安全に開催するためのハード面とソフト面の条件を整えることは可能といいますが、社会的条件が満たされていません。 

「アスリートファーストの考えのもと、血が滲むような努力してきたアスリートのためにも中止すべではない」といった意見は一面的にはもっともでその通りですが、費用対効果や経済効果、開催地としてのシティプライド向上やシティブランディング、世界に日本の素晴らしさをPRするといった目的などのオリンピック開催の社会的側面を軽視した意見です。 

平和の祭典であるはずのオリンピックが人々の不安を煽る事態を招き、また万が一でもコロナ禍という我が国の国家的危機を悪化させる、あるいは危機収束を遅らせるというリスクを国民に背負わせるべきではありません。
 

もちろん7月になればコロナの感染状況が落ち着き、やはり開催しておけばよかったとなることも十分ありえますが、開催まで2ヶ月をきった今、誰も2ヶ月後の正確な感染状況の予測ができない中では中止や延期の判断をせざるを得ません。

仮に中止したものの7月の感染状況が劇的に改善されていたとしても多くの国民は中止や延期の判断を支持するでしょうし、未曾有の危機の中では仮に理解されなくとも政治家が責任を取るという気概で政治のリーダーシップを発揮して頂きたいと思います。