劇場映画感想。
「バンテージ・ポイント」 神
スペインでのテロ撲滅の首脳会談。大観衆の中で演説しようとした
アメリカの大統領が狙撃され
現場にいた様々な登場人物の視点から事件を追うサスペンスアクション。
まずはその演説をTV中継する中継車の車内で
カメラマンやレポーターに指示を出している
ベテラン女性ディレクターの視点から映画は始まります。
原稿にない反米的な皮肉を言ったりするレポーターに釘を刺したり
反米プラカードを掲げる群集を映すカメラマンに釘を刺したり、
目まぐるしい実況中継の裏側を描きつつ、
さあ大統領が出てきて本番だ、という瞬間の銃声。
えっ?と静まり返る車内。直後の大混乱。
泣き出すレポーターに何とか現場の状況を伝えさせようと
した直後に続く大爆発。
動かなくなったカメラに映る悲惨な爆弾テロの現場の映像。
畳み掛けるショッキングな掴みのシーンから
一気に引き込まれます。
そしてその瞬間、ギュイーンと画面が巻き戻される演出が入って
次は大統領のそばにいたベテランシークレットサービスの
視点に切り替わり、ホテルを出発するところまで時間も巻き戻ります。
周囲を警戒しつつも壇上で向かいの窓で何か動いた、とか
警備側の緊張感のある視点で再び同じ場面が描かれ
そして再び狙撃、最初のTV映像では出てこなかった
現場の新たな登場人物も姿を現しつつ、直後の大爆発。
凄惨な現場の中、シークレットサービスはTV中継車に
何か映ってないか映像を確認に行き、
ちょっとまて、今のところ巻き戻せ!と
でももちろん観客側にその映像は見せませんw
そしてクライマックスな盛り上がりの中ギュイーンと巻き戻り。
他にも現地の警察官が恋人の女に頼まれたバッグを渡しに来たけど
女は怪しい男と逢引きしてた?とか
ラストキングオブスコットランドで最高なマッドキングを演じた
ウィテッカーさんは色々あって家族から離れるために
一人スペインにやってきてホームビデオカメラで撮りまくってる観光客
カメラに偶然映っていた映像とは?とか
そしてそのウィテッカーにぶつかってソフトクリーム落として半べそな
可愛い小さな女の子。
いかにも映画的に活躍しそうな立場のシークレットサービスだけでなく
様々な視点で登場するこんな何でもないような平凡な登場人物ですら
物語の中で予期せぬ非常に重要な役割をもっていて、
最後に全ての要素が鮮やかにつながります。
視点を切り替えるたびに徐々に真相に近づいていく流れですが
全ての視点に意味があって、全てがクライマックスで巻き戻しw
盛り上げておいて一旦切る、というのは
人気海外ドラマの24的な手法でもあると思うんですが
あちらが1シーズン引っ張って描くような内容が
まったく出し惜しみなしの90分に凝縮されています。
尺は10分の1、しかし面白さは10倍
次回、最終回!みたいなハイテンションで90分乗り切る感じですねw
そして今回の事件を起こした緻密で冷徹に実行する
犯人側の視点も描かれるわけですが
最後の最後でまさかのキャラを、ここしかないというポイントに配置する
狙いすました完璧な構成は素晴らしいの一言。
ああ、人間って咄嗟の瞬間にはきっとそうだよね、という結末。
最後の幕の引き方はエンターテイメントとしては文句なしでしょう。
ただひたすら目が離せず、見終わったら面白かっただけの映画。
こういうのを見るために映画館行ってるんですよねぇ
まだ3月ですが、少なくとも2008年ベスト3は確定ですかね。