サイコロ型のキャンディーCUCUを口に入れていたOさんが、突然5㎜四方ほどまでに小さくなったCUCUを取り出し、興奮したかのようにこう言った。

 

「このキャンディー、いつまでなめていてもサイコロ型ですよ!」

 

それがどうした、といった感じの私達。

 

「だって、こんなに小さくなってもサイコロの形が崩れないって凄いと思いませんか?」

 

・・・・・思わない。

 

でも、こんなに興奮したOさんを見るのは初めてだ。

 

せっかちな私は、今までキャンディーを最後まで口に入れていたことはなく、必ず途中で噛んでしまっていた。

 

私以上にせっかちなOさんが、まさか最後まで噛まずにいたとは、そっちの方が驚きである。

 

「だって、歯が・・・、噛めないですから・・・。」

 

人には人の事情って言うものがあるようだ。

 

 

そうまで言うのならと、私も我慢して最後までCUCUに付き合うことにした。

 

すると・・・・・・

 

ナント・・・・・・

 

やや丸みを帯びていたはずのキューブの角が鋭く尖り始め、限りなく正方体に近づいてきた!

 

ここに来て、Oさんの感動がようやく少し解った。

 

「ねっ、不思議でしょ?」

 

確かに、不思議。