実家にお線香を上げに行き、しみじみと両親と兄の写真を眺めた。

父はだいぶ前に亡くなったのでその死が納得できるのだが、母と兄については未だにヒョイと顔を出しそうな気がする。

そんなことを思っていたせいか、私達兄弟がまだ幼かった頃の父の姿が思い出した。

いつも土曜日は、仕事帰りにチョコレートを買ってきてくれた。

それが嬉しくて、玄関に順番に並び、そこから父の胸にジャンプして飛びついたものだった。。

そんな思い出を、今度は孫にしてみようと思い立った。


孫を台に立たせ、

「さあ、さあ、おいで。」

大きく腕を開き受け止め体制に入る。

歩き始めたばかりの孫は、もちろんジャンプなど出来ない。

それでも一生懸命に腕に飛びついてこようとする。

「ジャーンプ!」

脇の下に手を入れ、抱き上げる。

声を上げて喜ぶ孫。


父もこんな気持ちだったのかな?