戦争状態の連休も終え、ほっとして空を見上げると、見事な秋晴れ。


疲れは残っているものの、心と頭はスッキリしていて、まるで今日の空のようだ。


この機を逃す手はない。


お客様のお帰りの合間を縫って洗濯、掃除、布団干し。


ああ、気持ちが良い。


コマネズミのように動き回って、と言いたいところだが、なにせ体中に疲労物質が蓄積していて、ハタから見れば、ドタドタと見苦しい動きだったに違いない。


そんなモタモタした動きに、かけ声だけは勇ましく、「よしっ」、「よいしょっ。」。


いつの頃からか、このかけ声が自分自身の起爆剤になっている。


とにかく、そうして1日が終わろうとしていた。


少しは体を休めても良いわよね、そう言い訳をしながら横になる。


いざ横になってみると、とても寒い。


昼間干した布団が頭をよぎる。


「ああ、今あのふかふかと暖かい布団に横になれたらどんなに幸せだろう。」


その誘惑に勝てず、敷き布団だけ敷いてみた。


ふわーっとお日様の臭いがした。


半分だけ幸せな気分になった。


しかし、人間の欲望にはきりがなく、今度は掛け布団も欲しくなる。


「掛け布団は掛けてはいけないわ。眠ってしまうもの。今日は夜勤の日なんだから。ああ、それにしても足が寒いわ。」


掛け布団はいけないけど・・・


体を縮め、敷き布団の下の方だけ、くるっと丸めて足に掛けてみた。


なんて温かいんだろう。


と、そのまま熟睡してしまった。



あの一瞬、確かに私は幸せだった。